今日は物権的請求権について学ぶことにするわね。 物権的請求権とは、なにか。 そして、物権的請求権が認められる根拠は? 物権的請求権とは、どのような場合に、誰が、誰に対して、どのように行使することができるのか・・・ そういった問題について、判例と共に学んでいこうってことね。 |
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・・・なんか、やる前から意欲が激しく減退しそうなくらい、アレも、コレもって言ってくれてんのな! こちとら、今年こそはって期待しとる広島の泥沼6連敗で、春だってのに気持ちは沈みまくってんだお! 空気読もうか、空気。 (2015.4.7) |
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言うじゃないの。 でも、生憎と、あんた以外の人は、みんなやる気に満ち溢れているみたいだけどね。 空気読まないといけないのは、ドチラかしら? |
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チイは、今日もやる気一杯だよ! | ||
私も負けてないです! |
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藤さんは、いつも皆さんの心配ばかりして下さってみえますけど、皆さん、大丈夫みたいですよ。 藤さんも、あんまり他人の心配ばかりされずに、たまにはご自分のペースで勉強会に参加して下さってもいいと思いますよ。 |
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お、お、おう・・・。 | ||
あらあら、意気消沈の御様子じゃない。大丈夫? それじゃ、まずは物権的請求権とはなにか? ってことからね。 物権的請求権とは、物権の円満な支配状態が妨害されるか、妨害されるおそれのある場合、物権者が、その妨害の排除、または、予防のために、一定の作為、または、不作為を請求することのできる権利をいうわ。 物権的請求権には、次の3つがあるの。 @物権的返還請求権 A物権的妨害排除請求権 B物権的妨害予防請求権 の3種類ね。 それぞれ、どのような場合に行使し得る権利か、ということについては、これから説明するってことで、とりあえず、物権的請求権には3種類あるんだ、ってことを抑えておいてね。 |
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よしっ! 抑えたっ! 今日は、このへんで勘弁してやんよ! |
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ナニ、終わろうとしてんのよ。 コレで終わるわけがないでしょうがっ! |
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抑えが来たら、ソコで試合は終わるもんだろうがっ! 常識的に考えてっ!! 守護神を毎年コロコロ変えとるような金満球団ファンには、抑えの概念がないのかおっ!! 嘆かわしい、実に嘆かわしいっ!! |
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ウチ(=光ちゃんの応援球団は読売巨人なので、巨人軍を意味します)は、いつも適材適所を意識してるのよ! その年、その年で、最も抑えに適した選手に、最後を任せているのよ! 名前を看板に、任せてしまうような大雑把な采配はしていないのよ! |
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別に適材適所を意識しているのは、巨人だけじゃないです。 ウチ(=ナカちゃんは横浜ファンなので、横浜を意味します)だって、去年(2014年)は、抑えを不振だったソーサや山口ではなく、三上に託しているです。 |
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ナカちゃん、しっかりしてよ! 山口は、セットアッパーだったじゃないの。 大体、ソーサや三上なんて選手はウチにはいないじゃない! |
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しっかりするのは、お前のほーだお。 チビっ子の「ウチ」って言うたら、横浜に決まってんだろうがっ! なんで、巨人のこと言っとると思ったんだお、脳味噌膿んでんじゃねぇーのかお!? |
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・・・あのぉ。野球談義で脱線するのは、やめて頂けませんか? ここ最近は、シーズンオフで野球談義もなかったのに、これからは、また増えてくるとは思っているんですけれど・・・。 |
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あ・・・ゴメンね。 つい脱線しちゃったわね。 アレ? でも、チイちゃんは話題に参加しなかったけれど、サルと同じ広島ファンじゃないの? |
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チイは、野球には興味ないもん。 | ||
アラ、意外ね。 サルは、あんなにも野球好きなのに、チイちゃんは興味もたなかったんだ。 |
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だって、オネーちゃん、昔っから広島が勝ったら、勝ったで大騒ぎして、チイの宿題を邪魔してきたし・・・。 広島が負けたら、負けたで、八つ当たりしてチイの宿題の邪魔してきたし・・・。 引き分けでも、地団駄踏んで、チイの宿題の邪魔してきたし・・・。 特にここ最近は、延長戦で負ける試合が多いから大変なんだよ。 時間目一杯散々騒いでおいて、負けたぁーって言って、ご飯は先に1人で食べちゃうし、遂にはヤケ酒飲んで、お酒臭い息をさせながら延々と、チイの知らない一岡とか、田中とかいう人の名前挙げながら、わけのワカラナイ話をしてくるんだよね・・・。 |
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とんでもないオネーちゃんが、また来たですっ! | ||
だって去年(2014年)は、延長戦は11勝3敗1分と、広島は延長戦は滅法強かったんだお。 ソレが今季は、既に0勝4敗と4月の時点で、去年の負け数を超えてもぉとるんだお。コレは呑まずには、おれないおっ! |
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お父さんも、広島ファンだったし、お爺ちゃんも広島ファンだったから、チイとお母さんは、いっつも野球のシーズンになると、家の中がすっごく騒々しいから、テレビのある部屋から離れるようにしてたくらいだよ。 | ||
嘆かわしいっ! 実に嘆かわしいっ!! |
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え・・・えーっと・・・そ、そ、そうですね。 チイちゃんの側からの発言も、同様のものになるとは思うところですけれど。 |
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でも、野球はとっても面白いものよ? 是非、チイちゃんにも野球の魅力をワカッてもらいたいって思うかな。 そうだ! 今度、私の持っている年間シートに御招待するから、一緒に巨人の応援に行かない? |
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あんまり行きたくないよ。 | ||
あらあら・・・いいのかしら? 野球観戦をしながらの東京ドーム名物グルメの数々を楽しめるわよ? |
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ひ、光おねーちゃんっ!! チイ、野球観戦に急に、スッゴク行きたくなっちゃったよ!! |
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食べることの大好きなチイちゃんを野球そのものでなく、食事でツるなんてっ!! と、と、とんでもないおねーちゃんが、ここにも居たですっ! |
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ちょ、ちょっ!! ズルいよ、ズルいよっ!! チイ、やめときなっ! 東京ドームのグルメなんて、大したもんないからっ! ソレに、選手プロデュース関連の食べ物なんて、ぼったくりかってなくらい値段高いし、どうせ買えやしな・・・あ、そうか、クソォ、金満めぇ・・・金持っているから、球場グルメも頼み放題ってかぁ!? |
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ナニもズルいことなんて、ないわよ。 私はただ、チイちゃんが楽しく美味しく野球観戦をしてくれたらいいなぁって思って言っているだけですもの。 |
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し、知らなかったよ! 野球観戦すると、美味しい物が一杯食べられるんだっ! 行きたい、行きたい、行きたいよっ!! |
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・・・あたしは何度も野球観戦しに行っているけど、美味しい物を一杯食べた記憶は、いまだにないんだけどなぁ・・・。 いいなぁ、いいなぁ。あたしも一度でいいから選手プロデュースのグルメをお腹一杯堪能してみたいのになぁ。 コレが格差社会の現実ってヤツかぁ・・・クソォォォ。 |
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あのぉ、そろそろ物権的請求権の勉強会に戻りませんか? | ||
そ、そうよね。 つかさちゃん、ホント、ゴメンね。 ダメね。野球の話になると、ついつい熱が入っちゃって。 物権的請求権の判例を検討する前に、何故、物権的請求権という権利が認められるのか、その根拠について、まとめておくことにするわね。 物権とは、一定の物を、直接に支配(使用・収益・処分)して、利益を受ける排他的権利をいうものだったわよね。 なのに、その物権の円満な支配を妨げる、または、妨げるおそれが生じた場合、それを放置していては、物権者としては、その物を直接支配しているとは言えないことになってしまうわ。 かと言って、物権者が、自己に物権のあることを理由に、その支配を妨げる侵害者に対して、実力行使をもって、その侵害を除去ないし予防するための措置をとることは、自力救済になってしまうわけよね。 (※「自力救済」については、行政法15回 行政行為の効力B参照) ただ、自力救済は認められない行為よね。 そこで、物権者の物権の客体となる物についての円満な支配状態の回復のためには、物権者に、妨害者の侵害に対して、その除去を請求する権利を認める必要があるといえるわ。 物権的請求権は、このような要請に基づいて認められている権利と言えるわ。 |
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ちょっと待って、光おねーちゃんっ! 物権的請求権の根拠については、チイは違う捉え方をしているよ! 確かに、物権的請求権については民法上の規定は存在しないよ! でも、民法は、単なる事実上の支配に過ぎない占有権には、占有訴権や占有保全訴権(民法197条以下)を定めているよ! (占有訴権=占有権に基づいて訴える権利) そのこととの均衡を考えれば、物権についても当然に物権的請求権が認められるといえると思うんだよ! それに、それに、民法202条1項を見て欲しいんだけど・・・ 民法202条 『(本権の訴えとの関係) 第202条 1項 占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。』 としているよね。 この条文にいう『本権』の訴えというのは、物権的請求権だと捉えることができるよね。 チイは、この条文を根拠に物権的請求権が認められると理解してるよ! |
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違う捉え方というわけではないですね。 光ちゃんの説明は、物権的請求権の実質的根拠を述べたものであって、チイちゃんの説明は、物権的請求権の形式的根拠を述べたものですからね。 ただ、あくまでも重視すべきは実質面だと思いますから、民法上の定めがない物権的請求権については、光ちゃんのいう実質的根拠を厚く述べるべきだと思いますね。 その上で、形式的根拠として、チイちゃんの述べた点を、この実質面を補強するものとして述べる、ということで、いいかと思います。 |
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あ、そうなんだ。 チイは、独りで勉強してきたから、少し理解が片寄っているのかも知れないなぁ。 |
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だからこその勉強会なんじゃない! それじゃ、物権的請求権が、どのような場合に、誰が誰に対して、どのように行使することができるのか? という問題について判例を見てみることにしましょうか。 前回、チイちゃんがすっごく楽しそうにしていたから、今回はチイちゃんにも事例再現には協力してもらおうと思うわ。 検討判例は、百選掲載判例から48事件ね。 (大判昭和12年11月19日 百選T 6版46事件 7版48事件) |
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次、行こうっ! 次、次っ!! |
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それじゃ、次の検討判例は、百選掲載判例から49事件ね。 (最高裁平成6年2月8日 百選T 6版47事件 7版49事件) この判例から学んで欲しいのは、さっきと同じ問題ね。 つまり、物権的請求権が、どのような場合に、誰が誰に対して、どのように行使することができるのか? ってことになるわ。 |
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まだ、やるんでしょ? | ||
やらない、やらない! もう今日は、これくらいで十分でしょ! |
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まぁ、物権的請求権については、粗方説明し終わったし、百選掲載判例も検討出来たしね。 今日の勉強会は、ここまででいいと思うわ。 |
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ふぅ〜。助かったぁ〜。 | ||
ここまでなんだ・・・。 うん、じゃあチイも我慢するよ! 家に帰ってから、今日の勉強を、しっかりおさらいしておくね! |
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・・・。 (いやぁ、この小動物、マヂでやる気の塊みたいな生き物だなぁ。 宿題やってもらったり、勉強教えてもらっていたときは、このやる気は頼もしかったけど、一緒に勉強会となると、面倒くさいこと、この上ないなぁ。) |