民事法規定の適用 | ||
行政上の法律関係に民事法が適用されるか? という問題を前回は、幾つか判例検討と共に学びましたよね。 今回は、その続きです。 前回同様、判例を学ぶことで、行政上の法律関係に民事法が適用されるか、どうか。そして、適用されるならば、その適用に当たっては、どのような判断枠組みがとられているのかを学びましょう。 |
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あたし、学食のオバちゃんに、「ホントよく食べるねぇ〜」って褒められちゃったよ! | ||
私は小食だから藤先輩の健啖っぷりが羨ましいです。 | ||
でも、普段はひもじい思いをされてみえるんだなぁ、って思うと、私は切ない思いがしました。 | ||
なんで、あんたあんなに食べてるのに太らないのよ? | ||
あれ? 光ちゃんがあんまり食べないのは、太るの気にしてるからなの? |
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言っとくけど、私は別に小食ってわけじゃないわよ? 人並みには食べてるわよ。 あんたが異常なんだから、自分を基準に人のこと言うのは、やめてよね! |
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・・・。 (嘘こけお。 『ネージュ・ブロンシュ』(洋菓子店の名前)で、もう一つ・・・いや、でも、あぁーん、って迷ってたじゃねぇーかお。 太るの気にしてないのなら、あたしみたいに食べればいいんだお。) |
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まぁ、そんな話は後にして。 前回検討した自衛隊員事故国賠請求事件では、消滅時効にどの条文を適用するかが争点となったわよね。 今回は、取得時効の事案では、どのように考えられたかを判例から学びましょうか。 因みに、ここでは公用物についての判断も争点となったんだけど、この点については、国賠のところで改めて学ぶつもりだから、軽めに見ておく程度でいいからね。 それじゃ、判例百選掲載の判例だから、百選開いてね。 検討判例は、仙台水路時効取得事件よ。 (最判昭和51年12月24日 百選T 38事件) |
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よく解りました。 先日の勉強を、しっかり復習したせいでしょうか? |
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前回は、サルが集中切らしちゃったから途中でやめちゃったけど、ナカちゃんの復習する機会になったのなら怪我の功名ってところね。 よかったわ。 それじゃ、百選掲載判例じゃないけれど、公営住宅の使用関係についての判例もあるから、軽く抑えておきましょうか。 |
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こくこく(相槌) |
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公営住宅についてですが。 公営住宅の使用関係については、公営住宅法やこれに基づく条例に特別の定めがない限り、民法及び借地借家法の適用があるものとされています。 (最判昭和59年12月13日) コレは、公営住宅の使用関係であっても、基本的には私人間の賃貸借関係と異なるところはないという実質に即し、民法(及び借地借家法)の適用を認めるということですよね。 でも、こんな判例もあるから注意して欲しいのよね。 公営住宅相続人使用権事件(最判平成2年10月18日)を紹介するわね。 |
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あれ? 判例再現はしないの? |
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私の説明がながぁーいって文句言う方もみえるからねぇ〜。 | ||
うわっ・・・ ジト目きたよ、これ・・・ |
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それじゃ、簡単に事案の概説と、判旨を言っちゃうわね。 公営住宅相続人使用権事件(最判平成2年10月18日)は、こんな事案なの。 1975年に、ある都営住宅に居住していた方が亡くなったの。 その都営住宅には、その亡くなった方のお孫さんや、その孫の方の甥らが居住していたのよね。 因みに、亡くなった方の、お子さんは既にその前に亡くなっていたの。 東京都は、条例で、都営住宅の使用権の継承について、条例の定める要件を満たす場合に「使用権の承継を許可することができる」(東京都住宅条例14条の2)と定めていたんだけど、この亡くなった方のお孫さん達は、その許可をとっていなかったわけ。 そこで1987年、東京都は、このお孫さんらに対して、都営住宅の使用権がないことを理由に、都営住宅の明渡し請求を行った・・・って事案なの。 亡くなった方のお子さんは既に死亡しているんだから、お孫さんが、その相続権を有することになるわよね? この事案の争点は、ソコなのよ。 つまり、亡くなった方の都営住宅の使用権を、お孫さんが相続により承継することはできるかどうか、ってことなの。 どうかな? できると思う? |
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面白い事案ですね。 勉強不足で、この判例は知りませんでした。 公営住宅における私人との関係においても民法の適用はあるのか? という問題ですね。 公営住宅の使用関係であっても、基本的には私人間の賃貸借関係と異なるところはないという実質に即し、民法(及び借地借家法)の適用を認めるという理解に立って考えるに、相続による都営住宅の使用権の承継を認めるべき、とも考えられますが・・・。 公営住宅の使用関係については、公営住宅法やこれに基づく条例に特別の定めがない限り、民法及び借地借家法の適用があるものとする判例(最判昭和59年12月13日)の立場に立って、考えるならば、本件事案においては、公営住宅法や条例の定めがあることから、この個別法や、条例の趣旨の汲み取り方次第では、民法の適用はないという結論になりそうですよね。 ちょっと、公営住宅法や当該条例については把握していないので、その趣旨までは知らないので結論には至りませんが、考え方の筋道は正しいのではないかと。 |
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流石、黒田さんです! 御存知ない判例においても、考え方の筋道がしっかりされてますね。 まさに、最高裁も公営住宅法の趣旨を読み込んで判断しています。 判旨は次のものですね。 『公営住宅法は、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で住宅を賃貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするものであって(一条)、そのために、公営住宅の入居者を一定の条件を具備するものに限定し(一七条)、政令の定める選考基準に従い、条例で定めるところにより、公正な方法で選考して、入居者を決定しなければならないものとした上(一八条)、さらに入居者の収入が政令で定める基準を超えることになった場合には、その入居年数に応じて、入居者については、当該公営住宅を明け渡すように努めなければならない旨(二一条の二第一項)、事業主体の長については、当該公営住宅の明渡しを請求することができる旨(二一条の三第一項)を規定しているのである。 以上のような公営住宅法の規定の趣旨にかんがみれば、入居者が死亡した場合には、その相続人が公営住宅を使用する権利を当然に承継すると解する余地はないというべきである。』 つまり、公営住宅法の趣旨は、困窮者を救うためのものであって、その為の条件設定がなされているのであるから、当然にその地位を相続できると考えることは法の趣旨に反するとして、相続による使用権の承継を否定しているってことですよね。 この条文操作と論旨展開は、私たちも是非勉強したいなぁ、って思って、この判例を紹介しちゃいました。 |
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はい! 頑張りたいです!! (わーい、褒められちゃったぁ) |
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!! 耳? 耳生えてません? |
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耳はみんな生えているじゃないですか・・・ なんですか? ソレ。 |
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仕方ないよ。 光ちゃん目ぇ悪いから。 |
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コンタクトしてるんだから視力には問題ないわよ! えーっと。ここまでの理解をまとめると・・・。 事案にあたっては、まず争点を把握することですよね。 そして、民法と行政法上の法の抵触がある場合においては、公法私法二分論によるのではなく、個別法の趣旨・目的を読み込んで、事案の実質に即した法の適用の判断をとることができるようになることが大切ってことですよね。 |
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こくこく(相槌) | ||
終わり? 今日は終わり? |
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ナニよ、その態度は。 一応、ここまでが予定だけど、なんか言いたいことあるの? |
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あのさぁ。 ゴールデンウィークに入って、講義もお休みになるから、みんなであたしん家に泊まりに来ない? |
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え? 是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非是非っ! |
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お、お、おう! | ||
私も行っていいんですか? | ||
モチロンじゃない! 大歓迎だよ! |
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私、ハウスダストとかあるとダメなんだけど大丈夫かなぁ・・・ メイク落としや洗顔なんかもサルの家じゃなさそうだし・・・。 っていうか、そもそも人数分のベッドもないんでしょ? 泊まるなら、私の家にしない? |
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っ!!! (なんたる素晴らしき誘い! 明智邸の晩餐に授かる千載一遇の機会到来っ!?) |
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明智さんには申し訳ないんですけど、私は藤さんの家のお泊りがいいです。 | ||
私も、今回は藤先輩のお誘いが先だったので、藤先輩の家のお泊りにしたいです。 | ||
(あ、あ、アホやん! ナニ、そのアホの選択は! こんなモン、あなたが落としたのは金の斧ですか? 銀の斧ですか? って聞かれて、いいえ、折れた割り箸ですって答えるレベルのアホだよ!?) |
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そ、そ、そうよね・・・ ゴメンね。サル。 なんか、あんなこと言った後で許してもらえないかもだけど、私もサルの家にお泊りに行ってもいいかな? |
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う、う、うん。 ええよ・・・ |
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やっぱり怒ってるんだ・・・ なんか元気ないもんね・・・ ホント、ごめんね。 |
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怒ってないよぉ。 ホントだよぉ。 |
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・・・。 (藤さんが珍しく落ち込んでみえる・・・ せっかくの誘いを、あんな風に言われちゃったんだもん、無理ないよね。) |
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じゃ、じゃあ。 GWは、あたしん家で、お泊り会でいいんだよね? ホントにソレでいいんだよね? ホントにホントにいいんだよね? |
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いいよっ!! | ||
わ、わ、わぁ〜い・・・ (あたしだけ明智邸にお泊りしたひ・・・) |
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ゴールデンウィークのサルの家でのお泊り会はコチラで楽しむことが出来ます。 完全な番外編ですので、法律についての内容は一切ございませんので御了承下さい。 |