事実認定 手続の裁量 時の裁量 | ||
行政裁量の内容の第2回目ね。 行政裁量には、 要件裁量、 効果裁量、 事実認定、 手続きの裁量、 時の裁量 などがあるってことで、前回は要件裁量と効果裁量について学んだわね。 今回は、残りの事実認定、手続の裁量、時の裁量について勉強することにするわ。 もちろん、前回同様、行政法の勉強において重要なところだから、頑張りましょうね! |
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こくこく(相槌) |
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事実認定については、前回の勉強会で一緒にやってしまっても、実は良かったんだけれど、前回は、行政裁量においても特に重要な要件裁量、効果裁量の勉強会だったから、しっかり抑えて欲しいなって思ったから、今回に廻すことにしたのよね。 事実認定についてなんだけど、ここには、基本的には、行政の自由裁量は認められないわね。 |
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ちょっと、ちょっとっ! だったら、行政裁量の勉強会で、わざわざやる必要なくない? |
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まぁ、サルの文句もワカラなくはないわね。 ただ、事実認定に行政裁量があるのか? という問題は議論されるところだから、ここで論じておくべきかな、と思ってね。 前回検討したマクリーン事件でも、この事実認定に対する司法の見解は明らかになっているのよね。 『裁判所は、法務大臣の右判断についてそれが違法となるかどうかを審理、判断するにあたつては、右判断が法務大臣の裁量権の行使としてされたものであることを前提として、その判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等により右判断が全く事実の基礎を欠くかどうか、又は事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により右判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであるかどうかについて審理し』 と述べている部分がそうね。 このマクリーン事件の判決文からもワカルように、事実認定は、基本的には裁判所の権限に属するものなので、いわゆる判断代置方式で審査可能とされているわけね。 したがって、基本的には、自由裁量は認められないってことになるわ。 |
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すみません。 今、明智先輩が言われた判断代置方式 (ハンダンダイチホウシキ)が、よくワカラナイです。 |
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プッ! 情弱乙っ! |
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藤先輩は、知っているんですか? | ||
サルがナニを言っているのかは、よくワカラナイけれど、鼻で笑っているところを見ると、感じ悪いニュアンスのことを言っているんだろうなぁって推定は働くところね。 判断代置方式については、次回の勉強会で、また詳しく時間をとって話すつもりだから、ここでは置いておいてくれていいわ。 |
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そうなんですか。 ワカりました。 |
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流石に、判断代置方式くらいは説明不要だって、光ちゃんも思ったとは思うけどねぇ。 | ||
・・・じゃあ、藤先輩が今教えて下さいです! | ||
え? あ、あ、あたしが? いや、そりゃ教えてもいいけどさ。少し長くなっちゃうかなぁ。 短く話せって言うのなら、まぁ、出来なくはないんだけど、色々と前提知識もいるからさぁ。 |
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藤さんの深い理解を伝えることは、聞く側にも、相応の知識が必要となりますからね。 短い言葉の中に、沢山の意味が詰まっていますから、行間を読む力なくしては、藤さんの伝えたい言葉の半分も理解できないと思いますね。 藤さんや、光ちゃんが次回に廻すと言ってみえるのですから、ここで、私の拙い理解の範囲で判断代置方式を説明してしまいますと、かえって混乱を招きかねないので、差し控えさせて頂きますね。 |
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ジトォォ〜・・・。 | ||
コ、コラ! コッチ見るなっ!! |
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(また意味もなく知ったかしてんだから!) 次は、手続の裁量についてね。 手続の裁量とは、いかなる手続をとるかについての裁量をいうわ。 この問題を扱った判例としては 百選T 125事件の個人タクシー事件があるわね。 (最判昭和46年10月28日) |
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いやぁ、なんか居たたまれない空気だったねぇ。 怖い、怖い。 |
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やりたい放題されている藤先輩が被害者ぶった発言をするからです! | ||
ワカル、ワカル。 絶対に許せないって思っちゃうわよね! えーっと、次は、時の裁量の話でいいのかしら? 時の裁量というのは、行政行為を行う時期についての判断の余地のことをいうわ。 |
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こくこく(相槌) | ||
え? そんだけ? なんか簡単じゃない? |
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言ってくれるじゃないの。 それじゃ、聞いちゃおっかな。 質問! この時の裁量について扱った判例を、実は既に検討しています。 どんな判例でしたっけ? |
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はいはい。 アレね・・・アレ。 |
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え? 藤先輩は、もうワカッているんですか? えーっと、えーっと。 |
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あれ? ナカたん、まだ出てこない? じゃあ、ヒントあげよっか? |
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あうあうあうあうあう。 お願いしたいです。 ヒントが欲しいです。 |
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嘘ぴょぉぉぉぉぉっん!! | ||
・・・。 (藤さん・・・。 竹中さんのことを思えばこそ、敢えて心を鬼にされての憎まれ役ですね。 私には分かります。) |
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あんた、どんだけ意地が悪いのよっ! どうせワカッていないんでしょ? もうっ! 時の裁量が問題となった判例で、以前検討した判例というのは 中野区マンション建設用特殊車両通行認定留保事件よ。 (最判昭和57年4月23日 百選T 131事件) 一応、今回の勉強会用に、関係論点がワカリやすいように、若干修正して説明することにするわね。 |
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いやぁ、まさか手抜き判例を見させられるとは・・・。 って感じだよねぇ。 |
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イヤな言い方するのね! 別に、そんなつもりはないわよ。 一つの判例に、幾つもの重要な論点があることは珍しくないし、 かと言って、その論点の前提となる理解もないのに、判例を見る際に、複数の論点があるからと言って、一緒に説明されたって、理解が追いつかないでしょ? |
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ちょっと、ちょっとっ! まるで、今の勉強会の進行なら、みんなの理解が追いついているんです、って言わんばかりの発言は慎んでもらおうか! |
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追いついているでしょ? | ||
私は大丈夫です。 | ||
光ちゃんや、藤さん程の理解で・・・という話ですと、自信はないですけれど、私も大丈夫だと思っています。 | ||
木下さんは、一体誰の心配をして下さってみえるのかしら? | ||
・・・泣いてもいい? |