法令違憲・適用違憲 
さぁ、それじゃ今日の勉強会からは、新司法試験においても極めて重要な知識となる、法令違憲適用違憲を中心に学ぶことにするわね。

今日の勉強会の位置づけだけれど、先ずは、これらをイメージとしてでいいから、ザックリと抑えておくってことにしたいと思うわ。
一応、ザックリとしたイメージによる理解の前に、定義については、しっかり抑えておくべきかと思います。

法令違憲とは、法令の規定について合憲性の審査を加え、それを違憲と判断すると共に、その効力を否定する手法をいいます。

適用違憲とは、法令の規定に対する合憲性の審査において、その規定を文面上違憲と判断することはしないで、当該訴訟・事件における法令の規定の適用の仕方が違憲であると判断することをいいます。

あと、重要度としては、前の2つ程ではないのですが、処分違憲と、運用違憲についても、定義を述べておきますね。

処分違憲とは、適用違憲のように法令の規定の合憲性については問題とせず、裁判を含めた公権力の行使(処分)そのものの合憲性について審査を加え、違憲との見解を示すことをいいますね。

また運用違憲とは、憲法違反の法令の適用がなされているとの判断のもとに、当該事件の法令の執行は、その運用の一環として流出したものであるから違憲・無効である、と判断する手法をいいます。
処分違憲と、適用違憲は、どう違うの?
処分違憲と適用違憲との区別は、あまり明確ではない、ともされますが、処分違憲は、適用違憲よりも、その範囲がもっと広いものと、私は理解しています。
行政処分だけでなく、もっと広い公権力の行使によるものまで全て含むものの合憲性についての審査をなし、違憲という判断を下すもの、という理解で、いますからね。

ただ、後者の2つについては、前者の2つと比較しますと、重要度が相当落ちますので、まずは、法令違憲と適用違憲を理解する、ということで、いいかと思いますよ。
そうなんだ!
なんかソレ訊いて、チイ、安心したよぉ!
・・・。

(やったら最初っから、処分違憲運用違憲は言わなくても良かったんじゃないだろうか。 常識的に考えて。)
つかさちゃん、ありがとうね。

それじゃ今日の勉強会では、法令違憲と、適用違憲ザックリとしたイメージを掴むことにしましょう。

誤解を招くといけないから、先に伝えておくけれど、あくまでもイメージってことでね。
必ずしも普遍的なものではないわけなので、このザックリとしたイメージだけで、理解できるってものではないわけだからね
あたしの専売特許だと思っていたザックリ説明が・・・。
特許権侵害で、訴えちゃるお!!
はいはい。御勝手に。

それじゃ、先ずは、法令違憲のイメージからね。

法令違憲とは
当該規定にはおよそ合憲的な適用はないとする判断を示すもの
と説明されるものだわ(法令条項の全部違憲)。
野坂泰司「憲法判断の方法」大石眞 石川健治『憲法の争点』有斐閣 2008年 286頁)

この説明をイメージにすると、下のようなイメージになるわよね
適用の根拠となる法令そのものに合憲的部分がないのだから、その法令の適用は、すべからく違憲となる・・・というイメージ(法令条項の全部違憲)になるわ。
  ワカリヤスイよぉ。
そうね、確かに、こんな法令違憲だけだったらワカリヤスイわよね。

ただ実際問題として、こんな簡単な場合は珍しいわ。
通常は、法令違憲の判断も具体的事件への法令の適用を個々的に検討する中で下されるものである
と、されるわけよね(法令条項の一部違憲)。
野坂泰司「憲法判断の方法」大石眞 石川健治『憲法の争点』有斐閣 2008年 286頁)

この場合をイメージしたものが下の図になるわ。
具体的に訴訟にあらわれた事案が、ナカちゃんを対象とする事案であった・・・として。
そうであれば、ナカちゃんへの適用事案を契機に、一般にどうなの? という判断が求められる(法令条項の一部違憲)、ということとなるわけね。
  こくこく。
例えば、広島市暴走族追放条例事件だと、こんなイメージになるかしらね。
適用事案が、サル(同事案の被告人)という典型例事案であったために、サルへの適用を契機として、憲法から見た法令の判断をした結果、合憲という判断になったわけよね。

ただ、藤田裁判官の反対意見にもあるように、やっぱり、あの判例の判断は、微妙な判断だったと私は個人的には思っているわね。
いや、微妙なのはイメージ図の、あたしの表情じゃね?
それじゃ、もう一つの適用違憲についてのザックリとしたイメージによる理解ね。

先ずは、適用違憲について、まとめるわね。
本来的意味での適用違憲は、当該法令の文面上の合憲性が基本的に是認され、その上で、具体的事例への法律の適用を人権の擁護の点で検討し、違憲な適用を切り取るアプローチである
と、青柳先生によれば説かれるわね。
青柳幸一「法令違憲・適用違憲」芦部信喜編『講座憲法訴訟 第2巻』有斐閣 1987年 26頁)

この説明では、適用違憲つの類型に区別して捉えているわ。
俗に、芦部類型と呼ばれる区別になるわ。
芦部類型は、次のつの類型に区別されるのね。

@合憲限定解釈不可能型適用違憲(第1類型)
A合憲限定解釈可能型適用違憲(第2類型)
B処分違憲型(第3類型)
ちょっとイメージが湧かないよぉ。
・・・なんか今年(2015年)の夏頃に、やたら名前を聞いた先生な気が。
そんな時事ネタは脇に置いておいて、ここでの議論に集中しなさいよね!

@合憲限定解釈不可能型適用違憲(第1類型)のとしては、猿払事件第一審判決が挙げられるわね。

A合憲限定解釈可能型適用違憲(第2類型)のとしては、全逓プラカード事件第一審判決が挙げられるわ。

B処分違憲型(第3類型)を、芦部類型によれば、適用違憲の一類型として捉えているわけだけど、この類型のとしては、以前判例検討した第三者所有物没収事件等が挙げられるわね。
あ、具体的な事件を挙げてくれると、イメージが湧いたよぉ!
・・・いや、あたしは全然ピンと来てないんだけど。
そりゃ、サルは、今挙げた事件自体を知らないんだから、イメージが湧くはずもないじゃないのよ。
これらの裁判例については、これからの勉強会の中で紹介していくつもりだから。
今日は、先ずはザックリとしたイメージを掴むことにしてくれればいいわ。
それじゃ、それぞれの類型のイメージを図で見てもらうわね。
コレもやっぱり、あくまでもイメージってことで、必ずしも普遍的なものではないって前提で見るべきなの?
もちろん、そうして欲しいわ。
おおよそのイメージとして適用違憲というものを掴んで欲しいってことでの話だからね。
具体的な裁判例そのものについては、次回以降の勉強会ってことで、またイメージと共に説明するから、今日はイメージだけってことで、いいからね。

それじゃ、適用違憲のそれぞれの類型をイメージで捉えていくことにするわね。
先ずは、@合憲限定解釈不可能型適用違憲のイメージからね。
あたしだけ仲間ハズレなわけね。
はいはい。
まぁまぁ、イメージだから。

次はA合憲限定解釈可能型適用違憲のイメージになるわ。
法令が、違憲部分と合憲部分とに区別されているというのがポイントですよね。
まぁ、そうなるわね。

最後にB処分違憲型のイメージね。
ちょっと、このイメージについては微妙かなぁって思うところだから、また機会があれば書き直すことにしたいかな。

でもまぁ、取りも直さずイメージだし、理解の一助になればって位置づけだから、そこまでしなくてもいいかしらね。
ウワ。
早々と、やりませんよ的な発言きた、これ。
下手なイメージなんて不要ってなくらい理解できるようになれば、いいんじゃないのかしら。
ね? つかさちゃん?
藤さんは、私達の誰よりも深く理解されてみえますから、今の御発言は、あくまでも、私や竹中さんを危惧して下さっての御発言だと思いますけれどね。
・・・つ、つかさちゃんの頭の中のサルの法律の理解を私達との関係のイメージを図にしてもらっていいかしら・・・。
こんな感じでしょうか。
・・・ちょっと、この図だと、藤さんと私達との距離が足りないですよね!
ホントは、この3倍・・・ううん、6倍くらいはないと駄目なんですよね!
・・・。
(つ、つ、つける薬がない・・・とは、きっと、このことだと思うです。)

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