司法権の独立A | ||
今日は、司法権の独立の第2回。 と同時に最終回ね。 |
||
うわっ!! はやっ!! |
||
あら、もう少しジックリやった方がいい? | ||
うんにゃ。 サクサク終わる分には、なんの問題もない。 とっとと終わらせよう。 |
||
・・・あんた、イエスでも、ノーでも、とりあえず騒ぐのね。 | ||
・・・。 (藤先輩は、ホントに忙しい人です。) |
||
オネーちゃん、広島が勝っても負けても騒いでいるからね。 | ||
どんだけ騒ぎたがりなのよ、あんた。 えーっと、それじゃ、司法権の独立のために認められた裁判官の身分保障について学ぶことにするわ。 まずは、条文の確認からね。 憲法78条を見てくれるかしら? |
||
日本国憲法第78条。 『憲法78条 【裁判官の身分の保障】 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。』 |
||
78条は『裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない』と規定しているわ。 これは、司法権を担う裁判官の罷免事由を限定することによって、裁判官の職権の独立を担保しているものなのね。 この裁判官の身分保障との限界で見ておくべき制度としては、 @分限裁判 A弾劾裁判 B任命欠格事由発生の場合 C懲戒処分 があるわ。 |
||
こくこく(相づち)。 |
||
じゃあ、まずは、@分限裁判からね。 どのような場合に、裁判官が罷免されるのかというと『心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合』ということになるわけね。 このために定められた法律として、裁判官分限法という法律があるわ。 裁判官の職権の独立を守るという意味からも、この罷免事由は厳格に解されなければならないものといえるわ。 具体的には『心身の故障』とは、一時的なものではなく、相当長い期間にわたって継続することが確実に予想される故障で、しかも、裁判官の職務の執行に支障をきたす程度のものでなければならないとされているわね。 例を挙げると、精神的・肉体的な病気の他、失踪・行方不明などとされているわね。 |
||
成程、成程。 『心身の故障』って規定されとるけど『職務を執ることができない』場合ってことを考えると、失踪や行方不明の場合なんかも入るといえそうだね。 |
||
まぁ、そういうことよね。 次にA弾劾裁判ね。 弾劾裁判については、以前の国会Hの勉強会のところで国会の権能として少し触れたわよね。 弾劾裁判については、裁判官分限法同様、別途法律が設けられているわ。裁判官弾劾法ね。 ちょっと、裁判官弾劾法2条を見てくれる? |
||
弾劾裁判法第2条。 『第2条 (弾劾による罷免の事由) 弾劾により裁判官を罷免するのは、左の場合とする。 1号 職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚だしく怠つたとき。 2号 その他職務の内外を問わず、裁判官としての威信を著しく失うべき非行があつたとき。』 |
||
裁判官弾劾法に規定される裁判官の罷免事由は、同法2条に挙げられているわね。 | ||
これ、実際に罷免された裁判官っているの? | ||
残念だけど、みえるわね。 しかも、2号該当事案での罷免が多いのは残念な話ね。 買春や、ストーカーや、盗撮といった行為によって罷免された裁判官がみえるからね。 (参照サイト) (裁判官弾劾裁判昭和31年4月6日 百選U 185事件 本件は、2条1号、2号に該当する行為によって罷免。) |
||
おおう、まぁ、裁判官も人の子だから。 神の子ではないからね。 |
||
山本KIDだったら良かったのにねぇ。 | ||
いや、別にKIDは神の子って自称だから、ホントに神の子ってわけじゃないよ? 大丈夫? |
||
KID強かったわよねぇ。 | ||
光ちゃん、巨人の越智選手が素敵だとか、ドラマ『未成年』のゴロちゃんが格好いい、とか、KIDが好きとか、なんか男の趣味偏っている気がするんだけど、大丈夫なんかな・・・。 あたしは心配だよ・・・。 |
||
別にいいじゃないの! えーっと、次はB任命欠格事由発生の場合ね。 これは、裁判所法46条に定められているわ。 こちらも確認しておきましょうか。 |
||
裁判所法第46条。 『第46条 (任命の欠格事由) 他の法律の定めるところにより一般の官吏に任命されることができない者の外、左の各号の一に該当する者は、これを裁判官に任命することができない。 1号 禁錮以上の刑に処せられた者 2号 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者』 |
||
この裁判所法46条に規定される、いずれかの欠格事由に在任中の裁判官が該当する事由が生じた場合、どのように考えるべきか、という論点があるわ。 当然に失職する、とする当然失職説。 当然には失職せず、弾劾裁判の手続きを改めて要する、とする弾劾裁判必要説。 の2説があるわ。 通説的理解としては、当然には失職せず、裁判官の身分保障の見地から弾劾の手続きを必要とする理由から、弾劾裁判必要説の立場とされているわね。 |
||
メモメモ! | ||
はい、それじゃ、ここで改めて今一度、憲法78条を見てくれる? | ||
日本国憲法第78条。 『憲法78条 【裁判官の身分の保障】 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。』 |
||
C懲戒処分について説明するわ。 『裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない』と規定されているわよね。 このため、裁判官の懲戒処分は、裁判所が行うこととなるわ。 裁判所法49条、52条を見てくれる? |
||
裁判所法第49条。 『第49条 (懲戒) 裁判官は、職務上の義務に違反し、若しくは職務を怠り、又は品位を辱める行状があつたときは、別に法律で定めるところにより裁判によつて懲戒される。』 裁判所法第52条。 『第52条 (政治運動等の禁止) 裁判官は、在任中、左の行為をすることができない。 1号 国会若しくは地方公共団体の議会の議員となり、又は積極的に政治運動をすること。 2号 最高裁判所の許可のある場合を除いて、報酬のある他の職務に従事すること。 3号 商業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。』 |
||
ナカちゃん、ありがとうね。 今から見る判例は、超がつくくらいに重要判例だわ。 今、ナカちゃんが読んでくれた裁判所法52条1号に規定される『積極的に政治活動』とは、どのような行為をいうのか、そして、そのような行為を禁止することは表現の自由の侵害となるのではないか、ということが争点となった事件なのね。 |
||
寺西事件ですね! | ||
そうね。 検討判例は、寺西事件になるわ。 (最大決平成10年12月1日 百選U 183事件) |
||
裁判官も色々あるんだなぁ。 中立・公正な裁判官像を守るってのも楽じゃないね。 |
||
そうかもね。 えーっと、最後に簡単にまとめるわね。 司法権の独立を保障するための他の制度についてね。 例えば、裁判官の身分保障として、報酬の保障があるわ。 憲法79条6項、80条2項を見てくれる? |
||
日本国憲法第79条6項。 『第79条 【最高裁判所裁判官の報酬】 6項 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。』 日本国憲法第80条2項。 『第80条 【下級裁判所裁判官の報酬】 2項 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。』 |
||
また全体としての裁判機構を他の権力から分離・独立させ、その機構の運用をできる限り、司法府の自主性に委ねるための制度保障として、 行政機関による裁判官懲戒の禁止(憲法78条) 下級裁判所裁判官の指名(憲法80条) 司法行政監督権(憲法77条および第6章全体の趣旨) 司法運営のための規則制定権(憲法77条) などの制度があるわけね。 それぞれの内容については、これまでの勉強会の中でも触れたと思うから割愛するわ。 まぁ、こんなところかな。 |
||
コレで司法終わり? | ||
藤さん、またまたご冗談を。 まだまだ半分も終わっていませんよ? |
||
・・・マヂでか!? (成程・・・だからアホの管理人も、憲法を司法の前でストップしとったんだな・・・。 ここに着手してまうと、終わらない・・・って気持ちが働いて、敬遠しとったわけか・・・アイツめ。) |