委任立法の限界 | ||
サルっ!! 昨日の言葉、やっぱり悪口だったじゃないの! どうして、いつも教えてもらってるくせに、あんなことが言えるわけ? |
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違うよぉ〜。 燕雀っていうのは、矮小な自分を卑下して言った言葉だよぉ。 あたしみたいな凡庸な人間の気持ちなんて、鴻鵠のような光ちゃんにはワカッて貰えないよね・・・っていう一抹の寂しさを伝えたかったんだよね。 |
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そんなことないわよ! 私は、いつだってサルの気持ちを考えてるつもりよ? |
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そうなんだ・・・ 良かった・・・ あたしは独りぼっちじゃなかったんだね・・・ |
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当たり前じゃないの! もう、そんな悲しいこと2度と言わないでよね! |
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ウキっ! (ニシシシシ! こいつ、ちょれぇーっすわ!) |
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藤さん! 私も、いっつも藤さんのこと考えてます! 独りぼっちなんてことはないです! |
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こくこく(相槌) |
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み、み、みんなっ! あ、それじゃ、恵まれないあたしの為に、今日はみんなで、あたしに美味しいモンを食べさせてよ! |
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今日の判例検討頑張ったら・・・って条件付きでどう? あんたも、御褒美あったら頑張れるでしょ? |
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光ちゃん、その言い方は藤さんに失礼じゃないでしょうか? 藤さんは、そんなモノの為にガンバルような方じゃないと思いますけど。 |
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まったくもって、その通り! よって! 判例検討頑張らなくても、飯ゴチでヨロっ!! |
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ナニ自分に都合よく解釈してんのよ! つかさちゃんは、ご飯なんて御褒美、関係なしに、あんたは頑張るって言ってくれてんのよ! |
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マヂでかっ!? ・・・ねぇよ。 ご飯ゴチもねぇのに、どっから頑張る力引き出せばいいんだお? |
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・・・藤さん。 | ||
そろそろワカッテきたんじゃない? つかさちゃん。 残念だけどサルは、こういう人なのよね! |
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ソレは違います! 藤さんは、こう言ってみえるんです。ここ最近の食生活が苦しくって、勉強しようにも体調が悪くって必要な力が出せない、と。 でも、今日の食事の御馳走、即ち、その栄養が得られるならば、最後の力を振り絞って頑張ろうとされてみえるんです! |
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フッ。 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや。 |
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ですよね? ちょっと、今のは光ちゃんが悪いですよね? |
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なんで私が悪いってことになるのよ! ソレに、今のサルの台詞、なんかさっきの説明だとニュアンス違わない? なんで、最初に鼻で笑ってんのよ!! |
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コレは、自嘲気味な笑いでぇ〜す。わからねぇ〜かな? フッ。 ね? ね? |
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あうあうあうあう。 (黒田先輩が入ると、2人のケンカが余計にややこしくなってしまうですぅ) |
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・・・・はぁはぁはぁ。 ちょっと、このままじゃ、何時まで経っても勉強の話になりそうにないから、なんか釈然としないけれど、ひとまず終わっておくわね。 言っとくけど、私は誰がなんと言おうと、頑張らない人にご飯オゴるつもりはないからね! そこだけは譲らないわよ? 今日の勉強は、前回学んだ委任立法の、委任の範囲について学ぶわね。 委任立法の限界、という言葉で表現されることもあるわね。 ここで大事なのは、委任立法は許されるとされているけれども、その委任の仕方によっては許されないものとなることなのよね。 おかしな言い回しに聞こえるかも知れないけれど、あくまでも法律は憲法41条から、国会が唯一の立法機関であるというのが大原則なのよ。 だから、法律から委任された範囲での立法は、委任立法といえるため認められるんだけど、その範囲を超えるもの、さらには、範囲を初めから定めていない白紙委任なんて委任の仕方は、認められないということなの。 |
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少し説明の仕方が雑じゃないでしょうか? 白紙委任は、委任する法律側の問題。 委任の範囲(委任立法の限界)は、委任された行政立法側の問題ですよね? 両者は分けて論じるべきであって、一緒に説明されてしまうと混同してしまうと思います。 |
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そうよね。 ちょっと頭に血がのぼっていたのかな・・・つかさちゃんの言うとおりね。 それじゃ、少し丁寧に説明するよう心掛けるわね。 白紙委任とは、今、つかさちゃんが指摘したように、委任する法律側の問題なのね。 法律において、行政機関に委任する場合は、命令で定めるべき事項を列挙する等、委任事項を個別的・具体的に定めることが求められるの。 逆に言うと、白紙委任、あるいは包括委任と呼ばれるような委任の仕方は認められないのよ。 この理由は、さっき言ったように、国会が唯一の立法機関(憲法41条)であるにもかかわらず、白紙委任なんて委任の仕方をしてしまうと、実質的に行政権に法律の法規創造力を、委任という形で与えることとなってしまうからなのよ。 この白紙委任について扱った判例としては、猿払事件が有名だけれど、この判例は憲法でも学ぶ重要判例だから、そこで学ぶことにして、ここでは白紙委任についての説明だけにしておくわね。 |
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猿払(サルフツ)って読むんだ。へぇ〜。 | ||
ちょっとっ! 漢字の勉強じゃなくって、行政法の勉強をしてよね! それじゃ、行政機関側の問題としての委任立法の限界について勉強するわね。 コレは、法律による命令への委任の仕方が白紙委任のようなされ方ではなくって、個別的・具体的なものであったという前提での問題になるんだけど。 この場合、委任された内容を、どのように具体的なものとするかについては、行政機関に一定の裁量があるのよね。 そして、この委任の範囲については、委任の趣旨、目的、個人の権利利益等を勘案して判断されることとなるのよね。 この委任の範囲、すなわち委任された法の趣旨目的、個人の権利利益等を勘案して、制定された命令が、その範囲を逸脱・濫用しているものと判断された場合は、当該命令は違法となるわけ。 問題は、この判断基準が具体的に、どのようになされるのか、よね。 ソコで、この委任立法の限界を扱った判例を見て、実際に、この判断基準を学ぼうってこと。 |
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幼年者接見禁止事件を検討されますか? それとも、サーベル登録拒否事件を検討しますか? 両方検討するというのもいいですよね。 |
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私は両方検討しても全然いいと思うんですけど、サルが2つやると、またグリーンマイル(憲法勉強会参照)だ、なんだって騒ぐのがイヤなので・・・。 ちょっとマニアックなところで、サーベル登録拒否事件を検討しましょうか。 (最判平成2年2月1日 百選T(5版) 47事件) |
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わざわざ行政判例百選の旧版のサーベル登録拒否事件を検討判例にされたから、反対意見の考えに同意されてみえるのかと思いました。 違うんですね。少し残念です。 |
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幼年者接見拒否事件よりも、サーベル登録拒否事件の方が、より解りやすいかなぁ、って思って選択しただけなので、特に他意はなかったんだけどね。 なんか期待を裏切っちゃったみたいね、ゴメンね。 |
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飯ゴチってくれるなら許すお。 | ||
私とつかさちゃんの会話にカットインしてこないでよね! なんで、私があんたに謝ることがあるのよ! |
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え? ゴチは? ゴチは? |
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あるわけないじゃないの。 あんたの取り組み姿勢のドコを評価すればいいって言うのよ。 |
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そ、そ、そんなぁ。 あんまりだよぉ。 あたし、ご馳走があると思って頑張ったのに・・・ |
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藤さん・・・ (こんなに落ち込んでみえる藤さんは初めてだわ。 よっぽど体力的に無理されているのね・・・) |
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思い返してみても、検討もろくにしていないどころか、関係ないことしか言ってなかったからね。 さらには、ナカちゃんに頭突きまでするなんて言語道断よ! |
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・・・ってことは、まさかゴチは・・・。 | ||
まさか・・・って言うか、論理必然的に当然ないわよ! | ||
光ちゃん。 今日だけは、いつもの藤さんの頑張りに免じて、ご馳走して頂くってことにはならないんでしょうか? |
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・・・いつもの頑張り? | ||
あうあうあうあう。 (ヤバいです。 ヤバいです。 いつもの藤先輩を思い出してみえるです!) |
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・・・絶対ないわよ! あるわけないじゃないの! どんだけサボったら気が済むのよ!! モヤシでも食べてればいいのよ!! |
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しょぼぉ〜ん。 | ||
ホントは、今日は、医薬品インターネット販売事件(最判平成25年1月11日)の検討もしたかったのに、サルが、あんまりやる気見せないから、イヤになっちゃったのよね。 まだ百選未掲載の新しい判例だから、どうせ検討するなら1審、2審、最高裁・・・と全部検討したかったから、やるなら本腰入れて頑張らないと、って思って、サルに奮起してもらうつもりで、ご馳走の話したのよ。 なのに全然その気になってくれないんだもん。 もう知らないっ! |
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医薬品インターネット販売事件・・・。 平成24年度重判解説掲載の判例ですね。 ソレは残念なことですね。 是非、機会あれば検討を御一緒したいです。 (※ 別途需要or機会あれば検討します) |
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・・・。 (ゴチになれなかったことは返す返すも惜しいことをしたお。 しかし、今の光ちゃんの話だと、今日はホントは、とんでもねぇ判例検討が待ち構えていたということになるお・・・ 1審から最高裁まで見るだぁ? あのグリーンマイルが、延々と・・・そりゃもう延々と続くのを拝む羽目になるとこだったわけか・・・ それならゴチ無しは痛恨ではあるけれど、まぁ、無難な選択をしたと言えなくもないってことで。ういうい。) |
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あうあうあう。 (おかしいです。 ご馳走を逃した藤先輩から、あまり残念な空気が伝わってこないです。) |