法律行為の有効要件 契約締結上の過失

民法総則第5章! 法律行為!!
総則の一番の山場とも言えるメイン論点てんこ盛りのって言ったわよね。今日は、その続きの話をするわね。

前回の勉強会での話は、まだ理解できないところも多いと思うから、流して聞いてくれてもいいわよ、って話したと思うけど、今日からは、そうはいかないわよ。
しっかり、学んだことは自分のものにするんだ、って気持ちで頑張りましょうね。

というわけで、今日は、法律行為の有効要件について勉強するわ。
成立した法律行為が、有効であるためには、その目的に関して、次のつの要件が求められるの。

@確定性
A実現可能性
B適法性
C社会的妥当性


今日は、この要件について、ひとつずつ抑えていくことにしましょ。
うぇぇ。
つも要件あるの?
ソレ、全部抑えないといけないわけ?
いやぁ、じゃあ今日は1つだけにしとこうよ。
じゃあ、始めましょうか。 
 
  ちょっと、ちょっと。
ガン無視はやめてよ!
藤先輩・・・。
明智先輩は、きっと藤先輩が、この前、明智先輩の信用を裏切ったことを謝ってみえないので、怒ってみえるんですよ。
マヂで?
あんな大昔のこと、まだ憶えてんの?
たしかアレって、紀元前の話だよね?
え?
ソレは、藤さんと光ちゃんが前世からの結びつきがあったということなんでしょうか?
なんだかワケのワカラナイ話になってしまっていますが、藤先輩が、謝る気のないことだけは伝わってきます・・・。
それじゃ、つ目の要件
@確定性からね。

法律行為の目的(契約類型・契約条件)が明確であることが必要。
目的が明確にならないときには、その法律行為は無効。


コレが、法律行為の有効要件@確定性の意味するところね。

目的を明確にするための作業は、次の基準と、順序に従ってなされるの。

まずは、狭義の法律行為解釈と呼ばれるものがあるわ。
これは、当事者が、直接表示している事項についての表示行為に与えた意味を確定するものなの。

この作業には、当事者が表示に与えた共通の意味を見出すことが出来る場合と、出来ない場合とがあるわ。
それぞれの場合について説明するわね。
ちょ、ちょ、出来れば具体的な例をあげて説明してよ。
難しい言葉ばっかじゃ、ワカラナイよ!
そうですよね。
竹中さんもみえますものね。
藤さんのような心配りは大事ですよね。
それじゃ、まずは当事者が直接表示している事項について、当事者が表示に与えた共通の意味を見出すことができる場合から説明するわね。

お鍋に入れる具の1つに、「しらたき」があるわよね。
まぁ、いわゆる糸コンニャクね。

よく似たお鍋の具の1つに「マロニー」もあるわよね。
「マロニーちゃん」の愛称でも有名な商品だから知っているとは思うけれど、コチラは、ジャガイモのでん粉を原料にした、はるさめね。

つかさちゃんが経営している雑貨屋さんに、いつも来る馴染みのお客さんのナカちゃんがいたと仮定してみて?
ナカちゃんは、「しらたき」のことを、いつも「マロニーちゃん」って言っているんだけど、つかさちゃんは、馴染みのお客さんということもあって、ナカちゃんが、名前が可愛いからって理由で、「しらたき」のことを「マロニーちゃん」って呼んでいることを知っているため、「マロニーちゃん下さい」って言えば、「はい、いつものマロニーちゃんですね」って、「しらたき」を渡しているわけ。

この場合、つかさちゃんとナカちゃんの間で結ばれた販売契約は、「マロニー」の販売契約ではなくって、実際には「しらたき」の販売契約よね?
でも、当事者間では、表示に与えられた共通の意味を見出すことが出来ている以上、当該法律行為の目的は、明確であると言えるわけ。 
お互いに、表示行為に与えられた意味についての共通の認識があるから、目的は明確ってことですね。
問題となるのは、当事者が直接表示している事項について、共通の意味を見出せないときね。

この場合は、表示の客観的意味を探る作業が求められるわ。
そして、その際に用いられる準則として、「不明瞭解釈準則」という考え方があるの。
これは「疑わしきは、表意者の不利に」という準則なの。

不明瞭解釈準則」とは、契約解釈の際に、複数の理解可能性が残る多義的条項を前にしたとき、表現使用者は、複数の解釈可能性を残すことのないように明確に表現することができたのに、そうしなかった以上、自己に不利益な解釈可能性を負担しなければならない、とする考え方ね。 
紛らわしいことすんな!
お前が、紛らわしいことしたんだから責任とれや、ゴラァ!
ってことだね。
  端的には、そういうことですよね。
ナニも、そんな汚い言い方をすることないじゃないのよ。
今、説明した不明瞭解釈準則が用いられた判例があるから、紹介するわね。

まずは、事案から。

秋田県で養鶏業を営む方が、保険会社との間で、店舗総合保険契約を締結したの。
この契約の約款には、『台風、せん風、暴風、暴風雨等の風災(洪水、高潮等を除きます)、ひょう災または豪雪、なだれ等の雪災(融雪洪水を除きます)、によって、保険の目的が損害を受け、その損害の額が20万円以上となった場合には、その損害に対して、損害保険金を支払います。』っていう規定があったの。
その後、7年ぶりの大雪が降って、養鶏業を営んでいた方の鶏舎が、雪の重みで潰れてしまったの。
そこで、当該保険契約に基づいて、保険金の支払いを、保険会社に対して請求したんだけど、保険会社は、約款に言う「雪災」とは、「台風、暴風雨、なだれ等に相当する規模のものを指す」として、保険金の支払いを拒んできたのよね。

この事案に対して、秋田地裁は、次のような判断を示したのよ。

雪災』の意味については、店舗総合保険契約約款及びパンフレットにその説明はなく、保険会社も、これといった明確なものを持ち合わせておらず、実際に保険の勧誘及び契約を行う損害保険代理店にもその説明を行っていなかったこと、養鶏業者も、本件保険契約締結にあった、損害保険代理店から、雪で鶏舎が潰れたら、保険金が支払われる程度の説明を受けただけであることが認められる。

 ところで、一般に普通契約約款の作成にあたって、相手方が関与することはなく、相手方の意向が約款に反映されることはないから、
約款の不明瞭な部分に関しては、作成者にその危険を負わせ、約款の作成者に不利に、相手方に有利に、解釈されるべきである。

 したがって、約款上まったく明記されていないにもかかわらず、『雪災』にあたる場合を、保険会社主張のように限定する解釈は受け容れることはできない。


として、店舗総合保険契約約款の意味内容については『約款に書かれた文字を見て、一般人がどう判断するか、言い換えれば社会通念を基準とすべき』であるとして、社会通念に照らして、本件大雪による事故は、保険契約約款にいう『雪災』にあたるものとの判断を下したのよね。
秋田地判平成9年3月18日
ほうほう。
法律行為の目的を、当事者が直接表示している事項について、共通の意味を見出せないとき・・・って言われても、正直ピンと来ないけれど、事案を聞くと、やっぱりワカリやすいね。
不明瞭解釈準則の「疑わしきは、表意者の不利に」って聞いたときは、なんかキツいなぁって思ったけど、確かに、契約書なんか見せてもらって印鑑押すことあるけど、内容については、既に書いてあって、あたしが作ったわけじゃないんだから、この判例は、いいこと言ってるよね。
ナニ、今日は真面目に聞いてる振りしてんのよ!
言っとくけど、私は、あんたのこと許してないんだからね!
いや、でもアレは仕方ないんだよね。 
だって、シュタインズゲートの選択だったんだもん!
フーッハハハハハハ!!
え?
ナニ?
シュタイン?
ナニ? 
 
鳳凰院凶真先生は、世界線収束範囲の収束によって定まっていたことだと言ってみえます。
詳しくは、『STEINS;GATE』をご確認下さい。
  おっしゃっている意味が、まったく分からないのですけれど、それなら仕方ないですね。
ハ?
ハ?
ナニが?
ナニが、どうなって仕方ないなんて話になっているわけ? 
 
  仕方ない!
助手!
説明をしてやれ!
もう、いいわよ!!
勉強会の続きに戻るから! 

当事者が直接表示している事項については、当事者が共通の意味を見出すことが出来る場合と、出来ない場合とに分けて、その目的を明確にする作業をとることになるわけだけど・・・。

当事者が直接表示していない事項については、どうやって、その目的を明確にするのか、ってことになるわよね。

この場合は、補充的解釈をとるのよね。

すなわち、まずは、慣習(取引慣行)、そして、任意法規、次に信義則・条理という順序で、その目的を解釈していくことになるわね。
判例百選掲載の「塩釜レール入事件」が、今、光ちゃんが説明された法律行為の解釈と慣習についての該当判例ですよね。
検討されますか?
いらないんじゃない?
その、シュタインなんとかに聞いたら、いいんじゃないの?  
  仕方ない。
おい。
ラボメンナンバー003!
説明してくれっ!
ラボメン?
・・・よ、よく分かりませんが、私に説明を求めてみえるのでしょうか?

ちょっと事案までは覚えていませんが、「塩釜レール入事件」での大審院は、

意思解釈の資料たるべき事実上の慣習存する場合においては、法律行為の当事者が、その慣習の存在を知りながら、特に反対の意思を表示せざるときは、これに依る意思を有せるものと推定するを相当とす。
 従って、その慣習に依る意思の存在を主張する者は、特にこれを立証するの要なきものとす。

大審院大正10年6月2日 百選T 19事件

として、任意法規より先に、慣習によって法律行為の目的についての解釈をすることについての判断を示しているんですよね。
光ちゃんが、補充的解釈については、慣習(取引慣行)→任意法規信義則・条理、という順序で解釈していくって説明されたのは、そういう意味です。 
つかさちゃんまで、サルの言うこと聴かなくっても、いいじゃないの! 
  お言葉ですけど、私は、いつも藤さんの味方ですよ?
あうあう。
・・・明智先輩、すみません。
私、実は『STEINS;GATE』が大好きだったので、つい、藤先輩に乗っかってしまいました。
もう、そのシュタインなんとかの話はいいわ。
私も、ちょっと大人げなかった気がするし・・・。
私1人が、機嫌悪くして勉強会ができないんじゃ意味ないしね。

最後に、修正的解釈について話すわね。

狭義の法律行為解釈で、明らかになった法律行為の内容が合理的ではない場合には、合理的な内容になるように、解釈によって内容の修正をすることがあるの。

その一例としては、例文解釈という解釈方法があるのよね。

例えば、賃貸借契約などで、賃借人(部屋を借りている人)に、著しく不利な条項が、契約書にある場合があるわよね。
「一回でも、賃料を滞納すれば、無催告で解除できる」みたいな。
このような条項の効力を、そのまま認めてしまうことは問題といえるわよね。
実際、判例は、このような条項については、その効力を認めないわ。
その際に用いられる解釈が、例文解釈なの。
このような条項は、例として書かれたものに過ぎない、という解釈をとって、当該条項の効力を、そのまま認めることはしないわけ。
今日の勉強会は、コレで終わり?
なんで、そうなるのよ?
  んみゅ?
だって、「最後に、修正的解釈について」って言うたお?
 
法律行為の有効要件つ目の要件確定性については、修正的解釈の説明で最後だからね。
でも、まだ要件つ残っているじゃないの。  
えぇぇ〜。
完全に、「最後の」って言葉に騙されたよぉ。
もう終わりだって思ったのにぃ。
脱線ばっかりで、ろくに話が進まなかったから、流石に、もう少し進めておかないとダメよ!
じゃあ、せめてつ目の要件A実現可能性までは、今日終わらせておくことにしましょ?

A実現可能性とは、実現不可能な目的を内容とする法律行為に効力を認めても無意味だから、このような法律行為は無効となるということね。
そして、当該法律行為の実現が、可能か否かは、物理的にみるべきではなく、社会一般の取引観念で判断されるの。

不能の類型と、その類型ごとの法的取り扱いについて、まとめるわね。
不能の類型には、次の類型があるわ。

原始的不能
後発的不能

そして

全部不能
一部不能


それじゃ、まず原始的不能と、後発的不能についてね。

原始的不能というのは、初めっから無効ってことね。
簡単な例を挙げるなら、燃え尽きてしまった家を売る、みたいな契約は、原始的不能といえるわよね。
だから、実現不可能なんだから、契約は無効ってことになるわけ。 

この原始的不能に関連して、次のつの論点があるの。
つは、原始的不能と、契約締結上の責任契約締結上の過失という論点。
もうつは、原始的不能将来債権の譲渡という論点。

後者については、少しまだ理解しづらいところだと思うから、この論点についての理解は、債権での勉強のときにすることにして、前者の「契約締結上の過失」については、今勉強することにしましょうか。
  うひゃぁ。
終わらないどころか、まだまだやる気だお、この人。
契約締結上の過失というのは、原始的不能の場合に問題となる論点なんだけど。
質問を考える形で、理解してもらうことにしようかな。

質問

サルが、ナカちゃんに、サルが持っていた別荘を1000万円で売るっていう契約をしたの。
だけど、実はその契約の前日に、サルの別荘は、お隣の家の火事によって延焼して、焼失してしまっていた
のよね。

さて。
この場合、サルとナカちゃんの間の契約は有効でしょうか

さらに。
ナカちゃんが、サルの別荘の焼失を知らずに、仕事を休んで、交通費をかけてサルの別荘を見るために来ていた場合に、その旅費等の出費を、サルに対して損害賠償請求できるでしょうか

さらにさらに。
ナカちゃんは、実は、そのサルから買った別荘を、2000万円で私に売ろうとしていたのよね。そして、この転売については、確実にその転売がしえたといえる場合には、ナカちゃんは、その転売によって得られた利益(差額の1000万円)を、サルに請求し得るでしょうか
面白い質問ですね。
私は、勉強のお邪魔をしてはいけないので、自分の中で検討して、皆さんの回答を待つことにしますね。
(くぅぅぅ。このメガネはっ!!
 いつも空気読まずに、まくしたてるくせに、早く終わって欲しい今日みたいなときには、答えを言わないとは・・・
 なんたる空気の読めなさっ!
 光ちゃんは、光ちゃんで、ここにきて質問の絨毯爆撃とは、もう勘弁してくれないかなぁ!)
契約は、有効か・・・という質問ですが、コレは、契約に建物が焼失している以上、 契約の目的物が、初めから存在していないこととなるため原始的不能です。
したがって、法律行為の全部が無効となるので、この契約は無効です。

次の質問ですが・・・。
うーん、私は仕事を休んでまで、藤先輩の別荘を見に行っているわけですし、その別荘までの移動に交通費を費やしているわけで。
その結果、建物が燃え尽きてありません・・・なんて納得いかないです。交通費等の出費については、藤先輩に請求できるはずです。

最後の質問は難しいです・・・。
でも、別に転売目的は悪いことじゃないですし、転売が確実視される事情があったのであれば、私は、藤先輩との契約が成立していれば、別荘を、明智先輩に転売して1000万円の利益をあげることができたわけですから、この儲けについても、藤先輩に請求してもいいと思いました。
つ目とつ目の質問は、概ね正解かな。
つ目は、残念だけど、ちょっと、その結論は厳しいわね。

つ目については補足するところはないわ。ナカちゃんの考え方でいいわよ。

つ目の質問については、サルが、建物の焼失に契約を締結しているというところがポイントになるわ。
つまり、サルは、売主として、別荘の状態を契約確認すべき義務があったはずよね?
サルは、その信義則上の注意義務に違反していると言えるわ。
従って、サルは、契約締結上の過失責任を負うべきよね。
だから、ナカちゃんが、別荘を見るために支払った出費については、損害賠償請求できるという結論になるわね。

難しかったのはつ目の質問よね。
それじゃ、このつ目の回答については、つかさちゃんにお願いしちゃおうかな。
いいよね? つかさちゃん。
ええ。喜んで。

まだ勉強していないところだと思うのですが、藤さんが負うべき損害については、「信頼利益」と「履行利益」とを区別して考えることが大事なんです。

ここで言う「信頼利益」とは、無効な契約を有効であると信頼したことによって被った損害

履行利益」とは、有効な契約による履行があれば得られたであろう利益

契約締結上の過失責任において、藤さんが負うべき損害としては、「信頼利益」の賠償に限られて、「履行利益」の賠償にまでは及ばないんです。
何故なら、そもそも契約の目的物の焼失によって、契約の履行は考えられないわけですよね?
履行が考えられない以上、履行利益についてまで賠償を求めることもできないと言えるからです。
従って、竹中さんの光ちゃんへの別荘の転売によって得られたであろう儲けについては、この「履行利益」に属するものであることから、藤さんには賠償請求はできないという結論になります。
信頼利益履行利益ですか。
その考えを知っていれば、この質問にも、しっかりと答えられたわけですね、残念です。
契約締結上の過失責任と、不法行為の関係という論点もあるんだけれど、流石に、そこまでやっちゃうと、完全に消化不良を起こしちゃうと思うから、今日は、契約締結上の過失の考え方と、ちょっと予習になっちゃったけど、「信頼利益」と「履行利益」について抑えておいてくれればいいわ。

じゃあ、残りをアッサリと説明しちゃうわね。

原始的不能と、セットで抑えて欲しいって言ったA後発的不能というのは、途中から・・・つまり、法律行為成立後に実現不能になった場合を言うのね。
さっきの事案だと、契約成立後に別荘が焼失しちゃった、みたいな場合を考えてくれればいいわ。
この場合は、法律行為の効力自体には、影響しないの。
だって、契約自体は有効に成立しているわけだからね。
だから、この場合は、その法律行為から生じた権利がどうなるのか? という問題になるわけ。
具体的には、債務の消滅履行不能民法415条)、危険負担民法534条〜536条)等の話になるんだけど、このあたりは債権で勉強するから、今は、この程度にしておくわね。

次に、全部不能一部不能よね。
これはもう読んで字の如くで。

全部不能は、法律行為の全部が無効となるわ。
一部不能は、不能部分だけが無効となるのか、行為の全体が無効となるのかが問題となるところだけれど、そのあたりは、不能部分の全体における重要度によって異なると言えるわね。
ただ、できれば、せっかく成立した行為の効力については、維持するように解することが、当事者間の意思に沿うものとされるわね。
不能、不能・・・って、あたしが理解不能だお。
ちょっと情報量が多かったかもね。
まぁ、実現可能性のところでは、原始的不能と、契約締結上の過失責任を抑えておいてくれれば、とりあえずいいから。

それじゃ、法律行為の有効要件B適法性、C社会的妥当性については、次回にするわね。
ソレでいいでしょ? 
う・・・うん。
でも、なんだか疲れたよ・・・
パトラッシュ・・・疲れたろ・・・。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ。パトラッシュ・・・。
あうあうあうあう。
ネロが・・・ネロが・・・。
フランダースの犬』の最終話です・・・。感動の涙が止まらないです。
誰よ、ネロって?
そんなに疲れているなら、私、今日、猫カフェに行こうと思っていたんだけど一緒に来る?
可愛い猫が一杯いるし、一緒にお茶してると癒されるわよ? 
  ネコぉっ!?
行きます!
行きます!!
是非とも行きます!!
行かせて下さいっ!! 
つ、つかさちゃん、どうしたの、急に!?
いつもとテンションが違わない?  
別に普段と変わりませんよ!
ネコカフェ行くなら、一緒に行きたいです!
って言うか、もう誘ってしまわれたんですから、絶対ついていきますよ! 
べ、べ、別に構わないわよ?
なんか、いつものつかさちゃんらしくない強引さを感じちゃうけど、私の気のせいかな? 
ネコカフェかぁ〜。
個人的には、癒しの空間より、(食欲の)満たしの空間の方が、ありがたいんだけどなぁ。
別にイヤなら無理にとは言わないわよ?
あくまでも、私が行くついでで、誘っているだけなんだから。  
藤さんも行きましょうよ。
可愛いネコちゃんが一杯なんて、もうこの世の極楽浄土みたいな場所ですよ! 
  まぁ、どうせ光ちゃんのオゴリだし、なんか食べるモンあると思うから行くお。
あんた、ネコカフェに、どんだけ興味ないのよ!!
なんか誘った私が、バカみたいじゃないのよ!!
それじゃ、早く行きましょう!
ワーイ!
ネコカフェっ!
ネコカフェっ!!
噂には聞いていたけど、実際に行ける日が来るなんて、もうパラダイスぅぅぅっ!! 
・・・。
(気のせいでしょうか?
 先ほどから、黒田先輩の頭に、ネコの耳のような物が見えるのですが。)

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