ソレじゃ、今回の勉強会からは債務不履行について学んでいくことにするわね。 先ずは、債務不履行の定義からね。 債務不履行とは、履行期までに、債務の本旨に従った履行がされないことをいうわ。 この場合に、債務内容の実現を保障するための法的手段のうち、債権一般に妥当するものとして、民法債権総論で学ぶものには、次の2つがあるわ。 1)履行請求権 2)損害賠償請求権 |
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債権総論ではなく、債権各論で学ぶものとして、契約に基づく債務の不履行の場合には、次のような法的手段が認められていますね。 1)解除権(民法500条以下) 2)双務契約における危険負担(民法534条以下) 3)当事者の予見できなかった事情による債務不履行の場合には、契約内容の改訂請求権(事情変更の原則に基づく) |
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・・・各論で学ぶ法的手段を、既に幾つか見ているという驚愕の事実が、ここに。 | ||
そ、そうですよね。 | ||
まぁまぁ、あの時ワカラナかったとしても、いつでも戻って勉強すればいいだけなんだから気にしなくっていいわよ。 ソレじゃ、次は債務不履行の分類について話すわね。 債務不履行は、伝統的に3類型に分類されてきたわ(三分体系)。 その3類型とは 1)履行遅滞 2)履行不能 3)不完全履行 の3つね。 |
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それぞれをザックリ説明しますと 1)履行遅滞とは、履行期に履行がないこと。 2)履行不能とは、履行が不可能なこと。 3)不完全履行とは、「外形上」は履行らしいことがなされたが「内容的」に履行としては「不完全」なことをいいますね。 |
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あっ!! 以前の勉強会の、藤先輩のラーメン屋の事案は、この債務不履行の類型だと、3)不完全履行ってことですね! |
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そうですね。 不完全履行は、さらに細分化されるんですけれど。 ・給付義務(主たる給付義務)の履行不完全 ・給付に付随する付随義務違反 そして ・履行の際に、相手方が保持している生命・身体・健康・所有権等を侵害しないように配慮すべき義務(=保護義務)違反 とがあるわけですが、あの事案のラーメンは、竹中さんがお腹を壊すノロウイルスの付着したラーメンってことでしたから、債務不履行の類型で、いいますと、言われたように不完全履行・・・それも保護義務違反ってことになるといえますね。 |
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チイのお米屋、あたしのラーメン屋って、木下姉妹は、食い物関係の仕事しかしていないやないの。 ナカたんなんか、中近東から石油を仕入れる会社までやっとるっていうのに。 |
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まぁ、別に事案の配役だから、特に職種はなんだっていいんだけどね。 ナカちゃんの、あのときの事例は「事情変更の原則」の適用を考える事案だったから、あまり見ない職種になってはいたわよね。 |
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光ちゃん! 次の事案の配役の際には、是非、私にも何かやらせて欲しいです! |
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そ、そう? つかさちゃん、何気にやりたがり屋さんよね? えーっと、ソレじゃ次は、履行請求権と履行期について説明するわ。 履行請求権とは、履行期が到来しているにも関わらず、債務者が債務を任意に履行しない場合に、債権者が、債務者に対して、履行するように請求することができる権利をいうわ。 |
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ちょっと補足的なことですけれど、債権者からの履行請求に対して、債務者は、履行障害事由を抗弁として主張して、履行請求を排斥することができますね。 履行請求権の障害事由(権利行使の阻止事由)には、次のものが挙げられます。 1)履行不能 2)同時履行の抗弁権、留置権の抗弁 3)不安の抗弁 4)事情変更を理由とする履行拒絶、契約内容の改訂 ですね。 このうち、債権総論の勉強会で学ぶのが、1)履行不能ですね。 |
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そうね。 次に、履行期についてかな。 履行期とは、履行をなすべき時を意味するわ。 履行期の性質だけれど、これは期限の一種とされているわ。 期限は、債務者のためにあるものと推定されるんだったわよね(民法136条1項)。 条文を確認しておきましょうか。 民法136条をみてくれる? |
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民法第136条 (期限の利益及びその放棄) 『1項 期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。 2項 期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。』 |
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136条1項から、債権者は、債務者との合意がなければ、期限前に履行請求をすることができないわ。 ただ、債務者は、期限の利益を放棄することができるわけね(136条2項)。 |
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こくこく(相づち)。 |
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期限の利益の主張・立証責任が、債権者・債務者のいずれにあるかは、債権の発生原因が契約である場合には、契約の種類によって異なるわね。 例えば、売買契約の場合には、期限の利益についての主張・立証責任は、期限の利益が帰属する者(=債務者)にあるわ。 これに対して、債権者は、債権の発生原因について、主張・立証責任を負うわね。 |
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そうですね。 このあたりの主張・立証責任がいずれにあるのかという問題は、契約類型毎に、また要件事実の勉強の中で学ぶことになりますが、こうした勉強の機会に少しずつ抑えていくことも大事ですよね。 |
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要件事実ねぇ・・・。 あ、でも、要件事実については、サイトの法律科目の中に挙がってないから、やんなくって、いいんじゃないの? |
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メ、メタは駄目ですぅぅ! | ||
要件事実をやらなくっていい? ちょっと、その理由はナニ言っているのか、よくワカラナイんだけど、まぁ、この勉強会の中で、あまり踏み込むのも違うとは思うから、ここでは今の説明くらいでいいかなっとは思っているけどね。 えーっと、ソレじゃ、ちょっと短いんだけれど、今日の勉強会はここまでにしようかしらね。 |
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うほほほい!! いいねぇ、いいねぇ。 短い勉強会はいいねぇ! |
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次回からの勉強会では、今日の勉強会で学んだ債務不履行の類型(履行遅滞、履行不能、不完全履行)を、一つ一つ見ていこうと思うわ。 というわけで、区切りもよく、早く終わったことだし、今日は久し振りにネージュ・ブロンシュに行くことにしない? |
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うほほほほほい!! いいねぇ、いいねぇ、マヂでいいねぇ! 勉強会は短く終わってくれるし、お楽しみまであるってかっ!! ワーイ、ワーイ!! |
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ネージュ・ブロンシュは久し振りだよねぇ。 ワーイ、ワーーイっ!! |
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随分と行ってませんでしたものね。 嬉しいです! |
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・・・。 (珍しく、みんなが気持ちよく勉強会が終わろうとしているです・・・。 嬉しいことなのに、普段とのギャップのせいか、逆に居心地悪く感じてしまっている私が悲しいです・・・。) |