つかさちゃん、ゴメンね〜。 今日は、いきなりみんなで押し掛けることにしちゃって。 サルの家だと、サルがTVの野球中継を勝手につけちゃうんじゃないかと心配になっちゃってね。 |
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いえいえ。お構いなく。 私も、友達が遊びに来てくれるのは、すっごく嬉しいから大歓迎です! あ・・・さり気なく「友達」って言っちゃったっ! |
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なにか改まって言われると、少し照れちゃうけど。 別に、友達なんだし、言っちゃって、言っちゃって! |
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じゃあ友達の御言葉に甘えてっ! 友達の光ちゃんが、友達として、友達の私の家に遊びに来て下さるのは、友達としてすっごく嬉しいです!! だって、友達が来たら普通、友達はテンションが上がるものですからね! |
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あ・・・えーっと、そ、そ、そうよね。 い、異論はないわ。ええ。 そ、それじゃ上がらせて貰おうかしら。 |
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ナニ、玄関で掛け合い漫才してんの。 自分が集まるように言っておいて、一番最後に重役出勤って、マヂで世の中ナメてんのな! |
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板さんに無理行って、急に御弁当を御願いしたんだから、せめて運ぶのはウチでしようと思って、私の送迎の運転手の方に御願いしてたのよ。 少しくらいは大目に見てくれてもいいと思うけどな。 |
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うわっ!! 謝罪の言葉の前に、まず言い訳っ!! ないわぁ〜。マヂでないわぁ〜。 |
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・・・。 (藤先輩は誰よりも謝らないのに、よく、そこまで人のことが責められるものです。マヂでないわぁ〜は、藤先輩のほーです! ) |
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ナカちゃん、ナカちゃんっ!! ドキドキするねっ! ワクワクするねっ! どんな料理が届くのかな? どんな味がするのかな? |
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うーん、確か、あんときは豚とか海老とか山芋とか・・・・ | ||
あぁぁぁぁっ!! オネーちゃん、言わないでっ!! 今、チイは色々想像しているとこなんだからっ!! きっと、スッゴイ物が出てくるんだよっ! チイが、昔食べた黒いハンバーガーみたいな、見ただけで「ナニこれ?」って思うような物が届くんだよっ! |
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チイちゃんの期待を裏切るみたいで申し訳ないんだけれど、そういう色物はないからね。 ただ、味についてはチイちゃんの期待に添えるって思ってるけどね。 |
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ピンポーンッ! |
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あ、届いたみたいですよ? | ||
それじゃ、家主のつかさちゃんには申し訳ないけれど、私が出させてもらうわね。 すみません、どうも、有難うございました。 あ、宜しければ、コチラ、お一つお持ち下さい。 ええ、そうです、あのお店の御弁当ですので、ええ、よければ是非。 はいはい。 ホント、いきなりの御願いで御迷惑お掛けしました。 はい。 また、帰る際には連絡入れますので。 ええ。では、御免下さい。 |
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相変わらず、外面だけはいいよなぁ。 | ||
ちょっと聞こえてるわよ? ナニだけは、いいですって? そんな陰口叩くような人には、御弁当上げないわよ? |
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そ、そんな陰口だなんて滅相もないよっ! いや、だって光ちゃんの陰口叩こうにも、光ちゃんみたいな眉目秀麗・容姿端麗な完全無欠の御嬢様には、非の打ち所さえ見当たらないんだよ? 陰口なんて叩きようがないじゃないのっ! |
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・・・。 (言い過ぎ、言い過ぎですっ!) |
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うーん、まぁ、ソレはあるわよね。 | ||
・・・。 (わ、わ、私は頷かないですよ!) |
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光おねーちゃんっ! 御弁当っ!? 御弁当が届いたのっ!? |
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そうそう。 ハイ、お好きな御弁当をどうぞ! |
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あたし、和牛カルビ弁当っ! あ、あとイクラの入った散らし寿司も欲しいおっ! |
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木下姉妹のことを考えて、15人分お願いしといたから。 あ、今、運転手さんに一つ御裾分けしたから、14人分になっちゃったけど。 |
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え? ということは、14人分から、光ちゃん、クロちゃん、ナカたんで3人分を引いて、残る御弁当は11個。 ソレを、あたしとチイとで分けるということは・・・ あたしか、チイの、どっちかは1個少なくなるってことじゃない? |
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早い者勝ちだよ! オネーちゃんっ!! |
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いやいやいやいやっ!! チイの言い分は、一見至極真っ当な意見にも聞こえるけど、チイのスピードは圧倒的なんだから、ソレ、やる前から「あたしのだよ!」って言ってるのと同義だよっ!? あたしが、そんな不公平な勝負にノるわけないじゃないのっ!! |
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あの・・・仲良く最後の1個を半分こ、というのではダメでしょうか? | ||
そんなのダメだよっ! だって、オネーちゃんは、お花見のときにお重を独り占めしたじゃないっ! だったら、この御弁当は、チイが1つ余分に貰っても罰は当たらないと思うよ! |
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いつものチイちゃんにはない並々ならぬ強い気持ちを感じるです・・・。 | ||
チイ・・・。 チイと、あたしとは、この世界でたった2人だけの姉妹なんだよ? ソレなのに、1つの御弁当を巡って奪い合いだなんて、オネーちゃんは悲しいよ。 |
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あ・・・。 | ||
・・・。 (だったら、お花見では、みんなが楽しみにしていたお重を独り占めした藤先輩が、今度はチイちゃんに御弁当を譲ればいいだけの話です。) |
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ソレもコレも、全て、この御弁当が1個余計にあるからなんだよね・・・。 よしっ! オネーちゃんは、チイとオネーちゃんが喧嘩せずに済むように、この悪い御弁当を成敗するよっ!! |
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もぐもぐもぐもぐっ!! | ||
よしっ!! 御弁当を1つ減らしてやったよ! チイ! コレで御弁当は、2人で仲良く半分こできるよ! あたしが5個。チイも5個。 悪い御弁当は、オネーちゃんがチイのために退治したからねっ!! |
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な、な、ナニをするですか! | ||
オ・・・オネーちゃん・・・ | ||
ヒドいオネーちゃんよね・・・。 問答無用で、御弁当食べちゃうなんて。 |
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チイのために、悪い御弁当を退治してくれたんだぁ〜っ!! コレで、チイとオネーちゃんは仲良く御弁当を分けることができるんだね! やっぱりオネーちゃんはスゴいよぉぉぉぉっ! |
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は? | ||
・・・・。 (わ、わ、私は頷かないですよ!) |
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流石、藤さんですっ! 争いの火種そのものを消し去ってしまわれるなんてお見事ですっ! |
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・・・。 (いやいやいやいやっ! 黒田先輩の価値判断が斜め上過ぎて、言葉が出てこないです・・・。) |
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うんうん。 コレで、あとは5個ずつ、あたしとチイとで御弁当を頂けるね。 |
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そんなわけないでしょ? あんた、チイちゃんに1つ譲りなさいよ! |
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ソレはダメだよっ! 光おねーちゃんっ! チイと、オネーちゃんとは、この世でたった2人っきりの姉妹なんだもん! 御弁当は仲良く半分こしたいよ! |
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チイ・・・。 その言葉をオネーちゃんは待っていたんだお・・・。 (アホや、こいつ。) |
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・・・チイちゃんがソレでいいって言うのなら、いいけど・・・。 なんだろ・・・なにか釈然としないわねぇ・・・。 |
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チイが大騒ぎして、ゴメンねっ! それじゃ、みんなで御弁当を頂こうよっ! |
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あ、そうですね。 | ||
うーん、でも、あのお店も随分と質が落ちたものね・・・。 いくら急に頼んだ御弁当とは言え、ちょっとこの見た目はないと思うけどねぇ。 |
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ソレは言わないでよ・・・。 無料配布のアイコンに「一流料亭の御弁当」なんて都合のいいモノがあるはずもないじゃないの。 ある物で、やりくりしてるアホの管理人だって、ソレは思っていることなんだから言わないでいてあげるのが優しさってもんじゃないの? |
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メ、メタはダメですぅぅぅっ! | ||
美味しいぃぃぃぃっ!! オネーちゃん!! この御弁当、めちゃくちゃ美味しいよぉっ!! |
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あら。味は大丈夫だったみたいね。 チイちゃんが喜んでくれたみたいで何よりだわ。 |
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うんうん。 でも確かに、この御弁当美味しいよね。 光ちゃんは、いつも、こんな美味いもんばっか喰っとるわけか・・・。 死ねばいいのに。 |
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え? 今、あんたサラっと、とんでもない発言してなかった? |
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ん? 気のせいじゃない? いやぁ、この御弁当マヂで美味いっすわっ!! 正直、いくらでも食べれてまうねっ! もぐもぐもぐもぐ。 さてさて。 それじゃ、お次は最初っから目をつけていた和牛カルビ弁とぉ・・・ |
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ほげげげげっげえげげげげっ!! | ||
ちょっとっ! あんた、他人様の家で大騒ぎするのは、やめなさいよっ! |
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まぁ、まだ早い時間ですし、少しくらいなら・・・。 で、でも藤さん、一体どうされたんですか? |
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御弁当が・・・。 あたしの御弁当が・・・。 |
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美味しい、美味しい、美味しい、美味しい、美味しいっ!! | ||
あ・・・横に残して置いた御弁当が・・・ すべてチイちゃんによって片付けられているです・・・ |
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『あ・・・ありのまま、今、起こった事を話すぜ! あたしは5個ずつ御弁当を分けようと思ったら、いつのまにか2個しか食べれなくなっていた な・・・何を言ってるのか、わからねーと思うが、あたしも何をされたのかわからなかった・・・頭がどうにかなりそうだった・・・ 幻覚だとか錯覚だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・』 |
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オネーちゃんっ! この和牛カルビ弁当、とっても美味しいよっ!! チイ、いくらでも食べれちゃうよっ!! |
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マヂで泣きそうだお。 | ||
・・・。 (は、は、はらぺこモンスターがいるです・・・。) |