お花見 | ||
暇だお・・・。 果てしなく暇だお・・・。 桜のお花見しよう、っていうのはいいけど、なんで、あたしが場所取りせんと、ならないんだお。 大体、こういうのは年少者がやるべきもんだろ、常識的に考えて。 ソレにしても、あいつら来るの遅いなぁ。 |
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ゴメンなさぁ〜い。 ちょっと支度に手間取っちゃって・・・。 遅くなっちゃったわね。 サル、待たせてゴメンね。 |
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やっと来たお。 |
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だから謝っているじゃないの。 でも、せっかくのお花見でしょ? やっぱり色々入り用じゃない。 |
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例えば? | ||
お花見には、お酒も欲しいし、お酒だけじゃ寂しいから、おつまみも。 ソレに、あんたやチイちゃんもいるんだから、食べるモノだって沢山用意しておかないといけないわけでしょ? |
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ウキっ!! 流石、心の友だおっ! よくワカッテいるじゃないのっ! ということは、今日は期待しちゃっていいんだよね? |
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任せてよねっ! バッチリ用意してきたからっ! |
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ウワぁ〜。 桜、綺麗ぃ〜。 |
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あ、チイちゃん。 他のみんなは? |
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もうすぐ来るよ。 ハイ、これ、チイが運ぶ荷物だよ。 ココに置いていいのかな? |
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うんうん。 ソレじゃ、お店広げちゃいましょ。 あっ! つかさちゃん達の座るスペースは、残しておいてね。 |
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えへへへ。 食べるモノが一杯あるね・・・。 チイね、こうやって、場所取りまでしてするお花見なんて初めてだよ。 しかも、今日は一杯食べるモノがあるなんて、すっごい楽しみだなぁ。 |
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ココだけの話だけど、実は今日は、さらに驚きのスペシャルなお楽しみも用意してあるのよ? 期待してくれていいからね! |
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うわぁ、なんだろぉ〜。 | ||
ちょっとちょっと光ちゃぁ〜ん。 ハードル上げちゃうねぇ〜。 そこまで言われたら、もう俄然期待しちゃうよ? いいの? いいの? |
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もっちろんっ! バッチリ期待しちゃってよっ! |
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お待たせしましたぁ。 ちょっと場所がわからなくって、迷ってしまって。 |
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ココだったんですね。 さっき、間違えて通り過ぎてしまったです。 |
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今、丁度お店広げていたところだから、よかったら2人も手伝ってよ。 真ん中に、今日、私が頼んでおいた板さんのお弁当のお重を並べて、その周りに、お菓子や、つかさちゃんが持ってきてくれた、お弁当やお団子を並べていくことにしましょ。 |
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お重はコレですか? | ||
そう、ソレソレ。 開いて、真ん中に広げちゃいましょ。 |
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・・・あ・・・明智先輩・・・。 このお重・・・なんだかすっごく軽いです・・・。 |
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え? ソレ、みんなで食べる用のお重だったの? あたし、てっきり場所取りしてる、あたしのためのお弁当かと思って、待っとる間に全部喰ってもぉたお。 |
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・・・は? | ||
ヒドいよ、ヒドいよっ! オネーちゃんっ!! チイ、今日、一流料亭の板さんの作ったお弁当って、どんな味がするのか、すっごく楽しみにしてたのにっ!! |
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1人で全部食べちゃったですか。 | ||
私も少し用意してきたんですけれど、皆さんの期待されていた一流料亭のお弁当と比べられる物では到底ないので・・・。 | ||
大成功ぉぉぉぉっ!! ちょっと、ちょっと、みんな今日がなんの日か忘れてない? 今日は、4月馬鹿。エイプリルフールでしょ? 今のは、あたしの嘘でしたぁ〜っ!! いやぁ、みんなコロっと騙されてくれちゃってっ!! もう愛くるしいったら、ありゃしないおっ!! |
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藤さーん。 人が悪いですよ。 私、すっかり騙されてしまいました。 |
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私もです。 すごく自然な嘘だったので、全然疑いませんでした。 |
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やられちゃったわね。 サルだけに、やりかねないっていう先入観があったからかなぁ。 ちょっと悔しいけど、まぁ、お重が無事なら問題ないか。 |
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それじゃ早くお重を開けようよっ! チイ、どんなお弁当なのか、早く見てみたいもん! |
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そうね。 早速、開けちゃいましょうか。 |
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アレっ!? | ||
えっ? | ||
か、か、空っぽっ!? | ||
大々々成功ぉぉぉぉぉっ!!! じゃじゃじゃじゃぁーんっ! 実は、さっきの「嘘でした」がエイプリルフールの嘘だったのでしたぁ! 見事に、引っ掛かってくれちゃってっ!! もう、どんだけ騙されやすいんだって話だよねっ!! |
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・・・ちょっと。 | ||
ん? | ||
ソレじゃナニ? お重のお弁当は? |
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いや、最初に言うたやないの。 場所取りで待っとる間に、あたしが食べたって。 え? 聞いてなかったの? |
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あんた、みんなの楽しみを奪っておいて、まさか4月馬鹿の一言で済まそうって言うんじゃないわよね? | ||
ジトォ〜。 | ||
・・・・。 | ||
あ・・・あの・・・一応、私の持って来た、ちょっとしたお弁当でしたら、ありますし・・・後は、近くの露店で買うということで・・・。 | ||
おおおお、さすがクロちゃんっ! ソレは名案だよね! やっぱり、こういうときにしか食べられない露店の味っていうのは、捨て難いもんね! そうしよう、そうしようっ!!! |
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ホラホラっ!! ぶち美味そうな焼き鳥とか、たこやきの匂いが、ここまでするよ? 牛串や、タンドリーチキンなんてのもあるよ? おでんや、鯛焼き、たませんにクレープまであるじゃないの! あ、ホラホラっ! みたらし団子なんて、桜の下で食べたら、すっごい美味しいんじゃない? |
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チイは、昨日の夜から、一流料亭のお弁当を楽しみにしてたんだよ! ソレを、オネーちゃんが独り占めしたのは、絶対許せないよっ! |
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・・・なんて食い意地の張った女なんだお・・・。 食べ物のことで身内を責めるなんて、姉として、あたしは恥ずかしいお。 |
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ソレを言うなら、妹の楽しみにしていたお弁当を独り占めしたことこそ恥じて欲しいです・・・。 | ||
まぁまぁ。チイ。 呑んで、呑んで。呑めばイヤなことも忘れられっからっ!! |
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しかも謝らずに、お酒でこの場を流そうとしているです! ナニが「イヤなこと」ですか! 藤先輩にとってだけ「イヤなこと」じゃないですか!! |
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やめてよっ! オネーちゃんっ! チイは、まだ未成年だから、お酒呑めないんだよっ!! 楽しみにしていたお弁当を全部食べちゃうなんて、チイは許せないよっ! |
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ひぃぃぃぃ。 食べ物の恨みは恐ろしいぃぃぃ。 チイが怖いぃぃぃ。 |
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まぁ、露店や屋台の味もいいと思うんだけど・・・。 チイちゃんが楽しみにしていたお弁当ってことを考えると、サルが悪いわよねぇ。 うーん、でもせっかくのお花見で姉妹喧嘩というのもねぇ。 仕方ない。 ココは、友人としてダメなオネーちゃんに助け舟を出してあげようかな。 |
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光ちゃん、ナニか名案でも? | ||
チイちゃん、チイちゃんっ! さっき、話していた嬉しいスペシャルな驚きの一品っ! ちょっと予定より早いけれど、出しちゃうから機嫌直してくれない? |
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え? | ||
じゃぁーんっ! 私お手製のお弁当でぇ〜っす!! |
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うわぁ〜。 光ちゃんのお弁当なんて、初めてですよね! すっごく綺麗に出来ていますね。是非食べてみたいですー。 |
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え? 光おねーちゃんの特製お弁当っ? あ、しかもお寿司だっ!! うわーっ!! 食べたい、食べたい、食べたいよっ!! |
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・・・。 (相変わらず、チイは鶏頭だお・・・。 3歩あるけば全部忘れてまう単純なオツムしおってからに。 アホな妹で、ホント助かったお。 しかし、このチビっ子は、ホント食い意地張ってんなぁ。やれやれだお。) |
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いつも、つかさちゃんが料理するの見てて、同性としては黙っていられないって思うじゃない? というわけで、今日は腕によりをかけて頑張ってみました。 さぁ、是非食べてみて? 食材は日本全国名産御取り寄せの物ばかりだし、その食材に私の至高の調理が加わって、一流料亭の板さんのお弁当にだって負けない味を実現しているはずよ? |
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明智先輩の料理は初めてです。 | ||
ですよね。 ちょっとドキドキしちゃいますね。 |
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お寿司、お寿司ぃ〜。 | ||
うんうん。 でも確かに美味しそうだお。 |
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さぁ、召し上がれ。 | ||
っ!!!! | ||
っ!!!! | ||
っ!!!! | ||
っ!!!! | ||
どうかしら。 一応、試食ってことで、来る前に御父様にも一つ食べて貰ったんだけど、 『コレは絶品だ』 って言ってくれたし、味は太鼓判だと思っているんだけど。 |
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・・・・。 (ソレはきっと『絶版』の間違いです・・・。 正直、今、私、意識を辛うじて保つのが精一杯です・・・。) |
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・・・・。 (・・・わ、わ、私の食べたお寿司だけドッキリネタだったのかしら? ナニ・・・このお寿司・・・食感も変に硬かったり軟らかかったり。 一体、どんな具材つかったら、こんな不快な舌触りを実現できるの? ) |
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・・・・・。 (こ、こ、コレが一流料亭の味なんだ・・・。 チイには、全然ワカラナイよ・・・。 でもコレがきっと大人の味ってものなんだよね・・・。 今のチイには、ただただ不味いって表現しか浮かばないんだけど、ソレはチイがまだ子供だからなんだよね・・・。 ) |
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光ちゃん、いいかな? コレね・・・激不味だよ・・・。 なんか辛いっていうか、しょっぱいっていうか、その癖、無闇やたらに甘い具とかもあって、とにかく不味いよ・・・。 |
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はいはい。 エイプリルフールね。 もう、引っ掛からないから。 |
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違う、違う。 マヂで不味いっ!! って言うか、あまりの不味さに、もうコレ、不味いっていう表現しか頭に浮かんでこないくらい劇的に不味いっ!! |
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もう〜。 どんだけ引っ張るつもりよ。 言っとくけど、引っ掛からないから。 |
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いやいやいや、4月馬鹿じゃなくって、本気でっ! ぶっちゃけ、このお寿司、工場規制レベルだからっ! 心臓の弱い人だったら、下手したらショック死してもおかしくないってレベルの危険物だからっ! 正直、食材を作った農家の方に、土下座して謝って来いって、今あたし真剣に思っているくらい不味いからっ!! |
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はいはい。 エイプリルフールね。 ワカリマシタ〜っと。 |
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・・・・。 (あ、あ、明智先輩・・・・。 御願いですから、聞いて下さい・・・。 最早、4月馬鹿じゃなくって、今の明智先輩は、ただの4月の馬鹿になっているです・・・。) |
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※ 新しい年度の始まりを告げる桜の季節ですね。 管理人も桜は大好きで、今年も何度か桜を見に足を運んでしまいました。 お城を借景にした桜の美しさ、マジックアワーの夕焼けに映える桜、満開の桜の木の下を歩くのも、また格別ですよね。ぼんぼりの灯りに照らされた夜桜もまた味わいがありますよね。そんな桜を愛でる風情のあるイベントを・・・と思ったのですが、御覧のような体たらくに終わってしまいました。 サイトも、そろそろ1周年を迎えるということで、サル達を進級させるかを迷ったのですが、法律科目の進行・消化状況を考えて、2回生進級は見送りにしました。 いわゆるサザエさんワールドってことになりますね。 本年度も、サル達と共に一緒に法律勉強を楽しく学んでいけたらと思います。宜しくお願い致します。 管理人(2015.4.1) |