国会の組織 
今日の勉強会では、国会の組織について学ぶわね。

国会には、衆議院と参議院がある。
まぁ、そんなことは言うまでもなく知っているとは思うけれど。
この当たり前の常識も、ちゃんと憲法の条文としてあるのよね。

六法で、憲法42条を見てくれる?
日本国憲法第42条

第42条【両院制】
 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
  そら、そーよ!
(岡田元監督調に)
この憲法42条は、両院制を定めているのね。

両院制なんだけど。
本来民主政にとっては、国民の意思を代表する機関は、1つあれば足りるとも考えられるはずなのに、どうして第二院がいるの?ってことから考えて欲しいわけ。

二院制の存在理由としては、次のつの理由が挙げられるわ。

@議会の専制の防止
 二院制は抑止力としての機能を果たすってことね。

A下院と政府との衝突の緩和
 あ、ちなみに、今「下院」って言葉が出てきたから、ここで説明しちゃうけれど、「下院」というのは、日本では「衆議院」にあたるわね。
 これに対応する言葉としては、「上院」。日本では「参議院」にあたるわね。

B下院の軽率な行為・過誤の回避
 多数決の原理のみによる専断の防止機能を果たす役割ね。

C民意の忠実な反映
 これは、よく参議院が「良識の府」という言葉で表現されていることから求められる存在理由といえるわ。
 4つ目に挙げているけれど、二院制の存在理由として最も大きな理由は、このCと言ってもいいわね。 
上院、下院って・・・。
いやぁ、議院に上下関係があるとはねぇ。
1軍、2軍みたいなもん?
違うわよ!
じゃあ、説明するから聞いててね。

まず、二院制には、次のような類型があるのね。

@貴族院型
A連邦制型

B民主的第二次院型

あ、ちなみに日本は、どの類型だと思う? 
  民主的第二次院型です。
そうね。

一応、それぞれの類型を説明しておくと。

@貴族院型というのは、通常、立憲君主制の下、貴族団体を基礎に第二院を構成し、貴族的要素を代表するとともに、民選の第一院に対して抑制を加えるものをいうわ。
この類型としては、イギリス議会や、明治憲法下の帝国議会があたるわね。

次にA連邦制型というのは、連邦制という二元的国家構造に由来するもので、連邦国民の全体を代表する第一院の他に、連邦構成国を代表する第二院が要請されるものをいうわ。
この類型の代表例はアメリカよね。また、連邦制をとっている国は殆どみんな、この連邦制型をとっているのよね。ドイツ、ブラジル、オーストラリアなどがそうね。

そして、日本がとっているのが、今、ナカちゃんが答えてくれたB民主的第二次院型
サルも知っているように、日本は連邦国家ではなく単一国家よね。
また貴族制度も存在しないわよね。
そういった国家において、一方の院が他方の院の軽率な行動をチェックし、そのミスを修正するために、二次的なものとして第二院が附置される型が、この民主的第二次院型なの。 

あ、これは因みになんだけど。
民主的第二次院型をとっている国は、日本だけではないんだけれど、上院議員(参議院議員)が全て公選によって選出されるというのは、珍しいことみたいね。
上院、下院なんて紛らわしい名前で呼ばずに、参議院、衆議院って言ってくれればいいんだよ。
まぁ、学問上の説明だからね。

じゃあ、次は二院の相互関係についてね。

組織上の関係は、憲法の条文を見て欲しいんだけど・・・
ちょっと参照条文が多いんで、条文だけ列挙しておくから、これは各自自分で六法で確認しておくことってことにするわね。

挙げておくと・・・
憲法43条 → 憲法15条3項、44条
憲法48条 → 憲法45条、46条
憲法43条2項 → 公職選挙法4条1項、2項
憲法44条 → 公職選挙法10条
憲法47条 → 公職選挙法12条、13条、14条

という関係が条文に定められているわね。
流石に、これだけ逐一条文を見ていくと、条文確認だけで今日の勉強会が終わってしまうから、それは各自でって話。

内容的には、一般常識の範囲の話だから、条文確認したら、「あぁ、知ってる、知ってる」といった程度の話だから、軽く見ておく程度でいいとは思うわね。
ふ〜ん。
(なんだお。
 だったら見んでもええってことみたいだお。)
次は、二院の相互関係のうち、活動上の関係についてね。
この関係には、

@同時活動の原則
   

A独立活動の原則


つがあるわ。

@同時活動の原則は、憲法54条2項以外に規定はないわ。
但し、憲法が二院制を採用していることから当然に導き出される原則である、と解されているわね。

一応、条文を六法で確認しておきましょうか。
憲法54条2項を見てくれる? 
あ、一緒に54条3項も見てみてね。
日本国憲法第54条

第54条【参議院の緊急集会】
2項 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。

3項 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
同時活動の原則の根拠は、憲法54条2項だけなんでしょ?
なんで、3項も一緒に読ませたの?
同時活動の原則は、確かに、54条2項の定めがあるとおりなんだけど。

この同時活動の原則には、例外があるの。
その例外が、憲法54条2項の但書き部分と、同条3項に定められている参議院の緊急集会なのね。

同時活動の原則を抑えるときには、この例外についても抑えておいてね。

次に、もう1つの原則であるA独立活動の原則についてね。
この原則は、各議院が独立して議事を行い、議決することも、二院制という組織構造をとっていることから、当然に導き出される原則と解されているわね。

勿論、この原則にも例外はあるわ。
両院協議会がそうよね。
まぁ、現実問題として、あまり行われていないし、行っても、ものわかれに終わってしまうことが多いんだけどね。
この同時活動の原則例外である両院協議会については、憲法59条、60条、61条、67条2項、そして、国会法44条、60条を確認しておいてね。
  ふ〜ん。
(まぁ、見んでもええか。
 面倒くさいし。)
次は、二院の相互関係のうち、権能上の関係についてね。

この関係については、まぁ、あまり説明は不要かも知れないんだけど、衆議院の優越って言葉は、聞いたことあるんじゃない?
ちょ、ちょ・・・
ソレは、いくらなんでもバカにし過ぎじゃない?
それくらいは知ってるって!
じゃあ、聞いてもいいかしら?

質問

衆議院の優越が、制度上認められているのは何故でしょうか?

憲法の勉強会らしく換言して質問するなら、日本国憲法が、憲法59条、60条、61条、67条、69条等の多くの重要な問題において、衆議院の優越を認め、参議院を補充的・第二次院的な地位においている理由はなんでしょうか?

ってことになるかな。
それくらいって言うなら答えて、答えてっ! 
・・・・衆議院の方が人数多いから、ケンカしたら勝つから。 
衆議院議員定数480人 参議院議員定数242人
 2014.12.14衆議院議員選挙以降、「一票の格差」是正のため選挙区定数が「0増5減」された為、衆議院議員定数は475人に減らされました。)
どんな議会を想定してみえるんですか・・・。

参議院には、衆議院と違って、解散がないです。
また、参議院の任期は6年で、衆議院の4年よりも任期が長いです。
だから・・・だから・・・?
うんうん、よく考えててくれているって思うわ。
サルは、小学校の公民から、勉強し直して来たらいいんじゃない?

ただ、今のナカちゃんの答えは、参議院が衆議院と異なる点について述べただけであって、質問の答えにはなってはいないわよね。

衆議院の優越を認める理由としては、

@民主政治の徹底という点からみても望ましいこと
A国会の意思形成が容易になること
B議院内閣制のもとにおける内閣のあり方がより単純になり、行動の迷いの生ずるおそれが少なくなって、かえって内閣の立場が強化されること


などが挙げられているわね。
清宮四郎『憲法T 第3版』有斐閣 213頁) 
  出るわけないじゃん!
そんな答えっ!!
ナニも、ここまでの答えじゃなくったって、自分の言葉で説明してくれたら、いいのよ。 
それをナニよ、あんたの答えは!
ケンカしたら勝つから・・・って、どこの野蛮民族の議会を想定してんのよ!

衆議院の優越が認められているものは、国会の権能事項と、国会の議決効力部分になるわ。

具体的には、さっき質問のところで挙げた条文に列挙されている内容になるんだけれど、簡単に言っておくと・・・。

前者は、内閣不信任決議案、予算先議権
後者は、法律案の議決、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名がそうね。

あとのことについては、衆議院と参議院は平等だからね。
ふぅ〜ん。
(・・・確かに、言われてみれば、これ憲法っていう法律の勉強っていうより、公民の勉強してるみたいだなぁ。)
まぁ、衆議院の優越があることなどから、参議院は確かに、かつては衆議院のカーボンコピーと呼ばれていたりしたんだけど、昨今の「ねじれ国会」で、法案がやたら通りにくくなった事実や、日銀人事の同意等で、参議院の存在が国会にとって大きいものであることが改めて浮き彫りになってきているわよね。

参議院の一票の格差の問題について大幅な見直しがなされたのにも、こうした背景があるんじゃないのかしら。 
あ、これは、あくまでも私見だけどね。
ふむふむ。
(光ちゃん、法律バカかと思っていたけど、意外に政治についても詳しそうだなぁ。
 やるな! ブライト!)
・・・。
(ナニが、やるな、ブライト!ですか。
 藤先輩には、シャアは勿体無いです。精々フル・フロンタルです。)
えーっと、それじゃ今日の最後の論点かな。
議院の組織についてね。
議院の役員については、憲法58条1項、そして国会法16条があるんだけれど、この国会法の定める役員のうち、議員の中から選ばれる議長から常任委員長までを「役員」とすることについては争いはないのね。
ただ、国会法上役員とされる事務総長の法的位置付けについては争いがあるところなの。

通説的理解としては、重要機関説による理解が妥当と解されているわね。

重要機関説によれば、「役員とは、議院がその運営にあたる地位のある者のうち、特に重要なものについて、自主的に選任することを意味し、したがって、役員の範囲は議員に限定されるものではなく、事務総長を重要な機関とするか否かは、立法政策上の問題として国会法で明らかにされるべき、と説かれるわね。

重要機関説以外の考え方としては、議員要件説職員一般説などがあるわね。

一応、紹介しておくと。

議員要件説によれば、「役員」とは、議員であることを要件に、その中から選ばれる重要な役職を指すものとし、したがって、そこには事務総長を含まないと解しつつも、その地位と職務の重要性から、国会法がこれを憲法上の役員と同じ扱いにしている、と説かれるわ。

職員一般説によれば、「役員」とは、議院の重要機関か否か、議員であるか否かにかかわりなく、議院の職員一般を指し、したがって、事務総長はもとより、国会法上の「役員」以外の職員も、議院の職員である以上は、すべてその議院の意思に基づいて選任されるべき、と説かれるわね。
  こくこく(相槌)
役員の種類には、

議長国会法17条、6条、23条、18条、19条
副議長国会法17条、6条、23条、18条、30条、21条
仮議長国会法22条1項、3項
常任委員長国会法41条2項、3項、25条、41条1項、48条
事務総長国会法26条、27条1項、30条、7条、24条、22条2項、28条1項
があるわね。

国会法40条以下に定められた委員会には、

常任委員会
特別委員会

があるわね。

あと、各議院には、事務局が附置され、事務総長と参事その他必要な職員がおかれるわ。これは附置機関と呼ばれるわね(議員事務局法1条、国会法26条)。

その内容としては法制局国会法131条)があるわね。
こくこく(相槌)
(家に帰ったら、見なくてはいけない条文が一杯です。
 大変です。)
うん。
今日の勉強会のテーマ、国会の組織については、こんなところかな。  
いやぁ、思っていたよりハードだったねぇ。
国会の組織なんて、どうだっていいのにって気持ちに途中なっちゃったよ。
・・・。
(藤先輩は、ホントにロースクール生なんでしょうか?)
  テキィーーーンッ!!
  見えるっ!
見えるお!
あたしにも敵が見える!
チビっ子の心の声が見える!
  ど、ど、どうしたんですか?
ナカたん!
今、あたしのことを尊敬する美人なオネーさんって思ったでしょ?
当たり?
当たり? 
・・・ニュータイプ覚醒音は、完全に意味ナシです!! 

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