議員定数不均衡 | ||
サル、今日も仲良く勉強しようね! それじゃ、前回やる予定だった議員定数不均衡問題について、今日はまとめるね! ナカちゃんもいるね? それじゃ仲良くやろうね。 |
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ウキッ! (なんか知らないけど、機嫌いいお! ラッキぃーっ!) |
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宜しくお願いします。 |
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議員定数不均衡問題は、一票の格差問題とも言われるわよね。 選挙の行われる地域が、幾つかの選挙区に分割されて、それぞれの選挙区において議員が選出される場合、それぞれの選挙区の人口(有権者数)と、その選挙区から選出される議員の数との比率が選挙区ごとに異なっている場合・・・この現象を議員定数不均衡と呼ぶことになるわ。 この不均衡が、結果として有権者の選挙権に極端な不平等を生じさせることで起きる問題が、一票の格差問題なのよね。 有権者の投じた一票が、平等に取り扱われるべき要請は、憲法14条1項を根拠としているわ。 さぁ、まずは六法で憲法14条1項を見てみましょ。 |
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14条1項だね・・・っ。 『第14条【法の下の平等】 1項 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。』 うん、そりゃ、そうじゃないとね! あ、岡田さん風に、そらそーよって言うべきだった? |
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言わなくていいから。 この問題について、最高裁が初めて判断を下したのは、参議院議員選挙を扱った最大判昭和39年2月5日なのね。 この時生じていた格差は、最大1:4.09。 一般的には不平等は十分あるとも思えるわよね。 この状態に対し、最高裁は『議員定数、選挙区および各選挙区に対する議員数の配分の決定に関し立法府である国会が裁量的権限を有する以上、選挙区の議員数について、選挙人の選挙権の享有に極端な不平等を生じさせるような場合は格別、各選挙区に如何なる割合で議員数を配分するかは、立法府である国会の権限に属する立法政策の問題であって、議員数の配分が選挙人の人口に比例していないという一事だけで、憲法14条1項に反し無効であると断ずることはできない』として、違憲問題は生じないとの判断を下しているのね。 |
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へぇ〜。 1:4以上でも合憲になるんだね。 |
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その理解は正しくないわよ? 衆議院と参議院とでは、最大格差の許容される比率は異なっているし、そんな単純な数値だけでの判断をしているわけではないからね。 一応目安としては、衆議院なら1:3ぐらいだったら違憲って言いそう(平成23年まで)、参議院なら1:6ぐらいまでなら合憲って言いそう(平成24年まで)って感じで、私も捉えていたから、あんまりサルに強くも言えないところだけど・・・。 そこで今回検討する判例の中でも重要なのが、最高裁昭和51年4月14日大法廷判決(百選U 153事件)よね。 個別検討すべき判例ではあるんだけど、敢えてしないで、この勉強会の流れの中で説明・検討するわね。 |
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なんかイヤな予感が既にするのは、あたしだけかな・・・ | ||
最高裁昭和51年4月14日大法廷判決(百選U 153事件)について、まとめるわね。 1972年12月10日に実施された衆議院議員選挙において、一票あたりの最大格差が約1:5の割合になってしまったの。 これに対して本判決は、次のように述べているのね。 ちょっと引用長いから、少しずつ噛み砕いていくわね。 あ、サル、前もって言っておくけど、長くなるからね! 文句言わないように! (※ 段落ち管理人編集 引用長いため中略部分あり) 『平等原理の徹底した適用としての選挙権の平等は〜中略〜選挙権の内容の平等、換言すれば、各選挙人の投票の価値、すなわち各投票が選挙の結果に及ぼす影響力においても平等であることを要求せざるをえないものである。 そして、このような選挙権の平等の性質からすれば〜中略〜具体的な選挙制度において各選挙人の投票価値に実質的な差異が生ずる場合には、常に右の選挙権の平等の原則との関係で問題を生ずるのである。』 と述べて、まず選挙権の平等が「平等原則の徹底した適用」という原理から導かれるものであると位置づけ、議員定数不均衡により生ずる一票の格差は、平等原則違反であるとしているわよね。 『しかしながら、右の投票価値の平等は、各投票が選挙の結果に及ぼす影響力が数字的に完全に同一であることまでも要求するものと考えることはできない。 けだし、投票価値は、選挙制度の仕組みと密接に関連し、その仕組みのいかんにより、結果的に右のような投票の影響力に何程かの差異を生ずることがあるのを免れないからである。 代表民主制の下における選挙制度は、選挙された代表者を通じて、国民の利害や意見が公正かつ効果的に国政の運営に反映されることを目標とし、他方、政治における安定の要請をも考慮しながら、それぞれの国において、その国の事情に即して具体的に決定されるべきものであり、そこに論理的に要請される一定不変の形態が存在するわけのものではない。 わが憲法もまた、右の理由から、国会両議院の議員の選挙については、議員の定数、選挙区、投票の方法その他選挙に関する事項は法律で定めるべきものとし(43条2項、47条)、両議院の議員の各選挙制度の仕組みの具体的決定を原則として国会の裁量にゆだねているのである。 それ故、憲法は、前記投票価値の平等についても〜中略〜原則として、国会が正当に考慮することのできる他の政策的目的ないしは理由との関連において調和的に実現されるべきものと解されなければならない。』 ただ最高裁は、投票価値の平等原則は、数字的に完全な1:1までも要求するわけではないとしているのよね。 そして、選挙制度の仕組みは、憲法43条2項、47条を根拠として、法律で定めるべきものである以上、その具体的決定は、原則、国会の裁量に委ねられているものとしているわね。 そして、次に、本件議員定数配分規定が、合憲といえるかどうかについての判断を述べるんだけど。 『思うに、衆議院議員の選挙について、右のように全国を多数の選挙区に分け、各選挙区に議員定数を配分して選挙を行わせる制度をとる場合において、具体的に、どのように選挙区を区分し、そのそれぞれに幾人の議員を配分するかを決定するについては、各選挙区の選挙人数又は人口数〜中略〜と配分議員定数との比率の平等が最も重要かつ基本的な基準とされるべきことは当然であるとしても、それ以外にも、実際上考慮され、かつ、考慮されてしかるべき要素は、少なくない。 殊に、都道府県は、それが従来わが国の政治及び行政の実際において果たしてきた役割や、国民生活及び国民感情の上におけるその比重にかんがみ、選挙区割の基礎をなすものとして無視することのできない要素であり、また、これらの都道府県を更に細分するにあたつては、従来の選挙の実績や、選挙区としてのまとまり具合、市町村その他の行政区画、面積の大小、人口密度、住民構成、交通事情、地理的状況等諸般の要素を考慮し、配分されるべき議員数との関連を勘案しつつ、具体的な決定がされるものと考えられるのである。 更にまた、社会の急激な変化や、その一つのあらわれとしての人口の都市集中化の現象などが生じた場合、これをどのように評価し、前述した政治における安定の要請をも考慮しながら、これを選挙区割や議員定数配分にどのように反映させるかも、国会における高度に政策的な考慮要素の一つであることを失わない。』 ・・・と、これでもかと言わんばかりに考慮要素(都道府県、従来の選挙実績、選挙区としてのまとまり具合、市町村等、面積の大小、人口密度、住民構成、交通事情、地理的状況等諸般の要素、社会の急激な変化等)を並べているわね。ここまで考慮すべき要素がある以上、実際に議員定数不均衡から一票の格差問題が生じていたとしても、そのことから直ちに平等原則違反であるとするメルクマールは、容易には設定できないこととなるわよね。 『このように、衆議院議員の選挙における選挙区割と議員定数の配分の決定〜中略〜は、国会の具体的に決定したところがその裁量権の合理的な行使として是認されるかどうかによつて決するほかはなく、しかも事の性質上、その判断にあたつては特に慎重であることを要し、限られた資料に基づき、限られた観点からたやすくその決定の適否を判断すべきものでないことは、いうまでもない。 しかしながら、このような見地に立つて考えても、具体的に決定された選挙区割と議員定数の配分の下における選挙人の投票価値の不平等が、国会において通常考慮しうる諸般の要素をしんしやくしてもなお、一般的に合理性を有するものとはとうてい考えられない程度に達しているときは、もはや国会の合理的裁量の限界を超えているものと推定されるべきものであり、このような不平等を正当化すべき特段の理由が示されない限り、憲法違反と判断するほかはないというべきである。』 国会に広範な裁量を認めていることや、高度な政策的判断を要するものと位置付けている流れから、立法裁量があるから多少の不平等という結果も仕方ないよね・・・という展開になるのかなぁ、と思ったら、ここからが痺れるのよね。 最高裁は、それらの諸般の事情を考慮しても尚、投票価値の不平等が、一般的に合理性を有するものとは到底考えられない程度に達しているのであれば、それは最早国会の合理的裁量の限界を超えるものと推定されるものであって憲法違反であるとしているのよね。 『本件議員定数配分規定は〜中略〜その開きは、約5対1の割合に達していた、というのである。 〜中略〜右の開きが示す選挙人の投票価値の不平等は、前述のような諸般の要素、特に右の急激な社会的変化に対応するについてのある程度の政策的裁量を考慮に入れてもなお、一般的に合理性を有するものとはとうてい考えられない程度に達しているばかりでなく、これを更に超えるに至つているものというほかはなく、これを正当化すべき特段の理由をどこにも見出すことができない以上、本件議員定数配分規定の下における各選挙区の議員定数と人口数との比率の偏差は、右選挙当時には、憲法の選挙権の平等の要求に反する程度になつていたものといわなければならない。 しかしながら、右の理由から直ちに本件議員定数配分規定を憲法違反と断ずべきかどうかについては、更に考慮を必要とする。 一般に、制定当時憲法に適合していた法律が、その後における事情の変化により、その合憲性の要件を欠くに至つたときは、原則として憲法違反の瑕疵を帯びることになるというべきであるが、右の要件の欠如が漸次的な事情の変化によるものである場合には、いかなる時点において当該法律が憲法に違反するに至つたものと断ずべきかについて慎重な考慮が払われなければならない。 〜中略〜公選法自身その別表第1の末尾において同表はその施行後5年ごとに直近に行われた国勢調査の結果によつて更正するのを例とする旨を規定しているにもかかわらず、昭和39年の改正後本件選挙の時まで8年余にわたつてこの点についての改正がなんら施されていないことをしんしやくするときは、前記規定は、憲法の要求するところに合致しない状態になつていたにもかかわらず、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかつたものと認めざるをえない。 それ故〜中略〜右配分規定は、単に憲法に違反する不平等を招来している部分のみでなく、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである。』 そして、ここでは投票価値の不平等は立法裁量の限界を超えていると判断しているわね。 ただし、だからと言って、そのことが直ちに憲法違反であるとは言えないとしているのよね。それが、ここで示されている合理的期間論なの。 合理的期間論とは、定数配分規定が違憲となっていても、尚、国会が改正するまでに若干の時間的猶予を認めるべきであるとする考え方ね。 そして、その見地に鑑みても、8年余りに渡って改正していないことから約1対5の較差を憲法違反であるとしているのよ。 ただ実際、この判決が出るまでは学説の中には、投票価値の平等までは選挙権の平等には含まれないとする見解があったくらいなんだから、この判決の意義は大きいわよね。 |
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目が、目がぁ〜!! | ||
ナニやってるのよ? ちゃんと聞いててくれた? |
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キミの判例検討には心底ウンザリさせられる。 | ||
(あ、ラピュタのムスカ大佐です。) | ||
(小声) ・・・怒らない、怒らない。 ナカちゃんと約束したもんね・・・。 |
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あたしのイヤな予感。 500%的中しちゃったよ。 まさか、ここまでの緑の絨毯が敷きつめられるとは・・・死ぬかと思ったよ。 グリーンマイルかっての! |
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お、お、怒らない、怒らない・・・ あのね、サル。 まだ判例検討は終わりじゃないのよ? この判例には、まだ大事な続きがあるんだからね。 |
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マヂで? いや、もういいよ。 光ちゃん、ソレは自分の胸の内にでも閉まっといてくれていいからさぁ。 ってか、マヂでいい加減にしてよね。 |
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ぴしっ!!! | ||
あう・・・ あうあうあう・・・ |
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あんたねぇっ!! 黙って聞いていれば、言いたい放題じゃないのよ! 私が誰のために判例検討してると思ってるのよ! あんたのためでしょ!? |
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・・・ウキっ。 | ||
そんなに言うのなら、もう判例検討も勉強会もしなくていいわよ! サルも、そのほーがいいんでしょ? |
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えぇ〜。 ソレはイヤだぁ〜。 |
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藤先輩、明智先輩に謝るべきです。 謝ってください。 |
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ナカちゃん、いいよ。 サルが悪いと思ってないのなら、私も謝ってなんか欲しくないもん。 |
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いや・・・ 流石に、あたしが間違っていたよぉ。 光ちゃんに甘えてたんだよね。光ちゃんが、こうやって教えてくれることが当たり前みたいになってたんだよね・・・ |
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う、うん・・・。 | ||
ごめんなさい。 本当に悪いと思ってるよ。 もう、今日みたいな事は絶対言わないから許して下さい。 |
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うん、許してあげる。 サルが、そこまで丁寧に謝るなんて、よっぽど反省してるんだなって私にも伝わってきたしね。 |
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あ、あ、ありがとう! 光ちゃん!! |
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藤先輩、良かったですね! | ||
それじゃ、心機一転! 本判決の続きを、検討することにしちゃおっか! |
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・・・うん。 (ちぇっ! 結局やるのかお! イヤだなぁ〜) |
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・・・。 (反省されたはずの藤先輩から、気持ちが伝わってこないです・・・ おかしいです・・・) |
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さぁ、最高裁昭和51年4月14日大法廷判決(百選U 153事件)の続きに戻るわね。 『本件議員定数配分規定は〜中略〜全体として違憲の瑕疵を帯びるべきものと解すべき』とされてしまったわよね。 そうなると、そうなるとよ? 憲法に違反する法律は、原則として当初から無効であり、また、これに基づいてされた行為の効力も否定されることとなるわよね。 しかも、投票価値に著しい不平等のあった当該選挙区だけではなく、定数配分規定全体が違法の瑕疵を帯びるものであるとしている(「不可分論」)ということは、行われた衆議院議員選挙全体が違憲で無効ということになるのよね。 じゃあ、1972年12月10日に実施された衆議院議員選挙をやり直すってことになるわけ? この判決が最高裁で下されたのは1976年なのに? この問題に対して、最高裁は次のような判断を示しているわ。 『〜中略〜憲法に違反する法律は、原則としては当初から無効であり、また、これに基づいてされた行為の効力も否定されるべきものであるが、しかし、これは、このように解することが、通常は憲法に違反する結果を防止し、又はこれを是正するために最も適切であることによるのであつて、右のような解釈によることが、必ずしも憲法違反の結果の防止又は是正に特に資するところがなく、かえつて憲法上その他の関係において極めて不当な結果を生ずる場合には、むしろ右の解釈を貫くことがかえつて憲法の所期するところに反することとなるのであり、このような場合には、おのずから別個の、総合的な視野に立つ合理的な解釈を施さざるをえないのである。』 まず、原則を貫くことの不都合を述べているわね。 そこで、本件事案に即した個別具体的な解決を導くには、どのような判断枠組みをとるのかを次に示しているわ。 『〜中略〜そこで考えるのに、行政処分の適否を争う訴訟についての一般法である行政事件訴訟法は、31条1項前段において、当該処分が違法であつても、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合においては、諸般の事情に照らして右処分を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認められる限り、裁判所においてこれを取り消さないことができることを定めている。 この規定は法政策的考慮に基づいて定められたものではあるが、しかしそこには、行政処分の取消の場合に限られない一般的な法の基本原則に基づくものとして理解すべき要素も含まれていると考えられるのである。』 行政事件訴訟法の31条1項前段を出しているから、条文見ておくね。 行政事件訴訟法 第31条1項 『取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。』 この条文については、行政法の勉強の中で学ぶんだけど、行政事件訴訟法31条の適用による特別の事情による請求の棄却判決を「事情判決」と呼ぶのね。 まさに、本件のような事案においては、適用したらいいと思える条文と言えるわよね。 『もつとも、行政事件訴訟法の右規定は、公選法の選挙の効力に関する訴訟についてはその準用を排除されているが(公選法219条)〜中略〜前記行政事件訴訟法の規定に含まれる法の基本原則の適用により、選挙を無効とすることによる不当な結果を回避する裁判をする余地もありうるものと解するのが、相当である。 もとより、明文の規定がないのに安易にこのような法理を適用することは許されず、殊に憲法違反という重大な瑕疵を有する行為については、憲法98条1項の法意に照らしても、一般にその効力を維持すべきものではないが、しかし、このような行為についても、高次の法的見地から、右の法理を適用すべき場合がないとはいいきれないのである。 そこで本件について考えてみるに、本件選挙が憲法に違反する議員定数配分規定に基づいて行われたものであることは上記のとおりであるが、そのことを理由としてこれを無効とする判決をしても、これによつて直ちに違憲状態が是正されるわけではなく、かえつて憲法の所期するところに必ずしも適合しない結果を生ずることは、さきに述べたとおりである。 これらの事情等を考慮するときは、本件においては、前記の法理にしたがい、本件選挙は憲法に違反する議員定数配分規定に基づいて行われた点において違法である旨を判示するにとどめ、選挙自体はこれを無効としないこととするのが、相当であり、そしてまた、このような場合においては、選挙を無効とする旨の判決を求める請求を棄却するとともに、当該選挙が違法である旨を主文で宣言するのが、相当である。』 ところが、生憎と公選法219条は、行政事件訴訟法31条1項の準用を排除しているのよね。 そこで、行政事件訴訟法31条そのものを適用するのではなく、そこに含まれる「一般的な法の基本原則」を適用するという「事情判決の法理」を採って、憲法違反を理由とする無効による不都合を回避するという高次の法的見地からの結論を下したのね。 でも、この判断はスゴいわよね。 だって本判決では、憲法違反の重大な瑕疵があると認めているわけだけど、諸々の影響等を考慮すると選挙無効にしたくないと思っても、事情判決(行訴法31条1項)は適用排除(公選法219条)されてて使えないし、八方塞がりじゃないの! という状況からの「事情判決の法理」だからね。 |
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ん? 終わった? |
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明智先輩・・・良かったです。 私も、本判決が最高裁の数少ない法令違憲判決のひとつであるということは勿論知っていましたが、ここまで丁寧に判決文を読んだことはなかったので、すっごく勉強になりました。 ありがとうございます。ありがとうございます。 |
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なんか、すっごい極端な反応ね・・・。 足して2で割って・・・いやいやいや、サルの反応は足しちゃダメ、ダメ! でも、結構、中略ではしょってしまったところ多いから、本当に勉強するなら、ちゃんと原判決文にあたってね。 本判決の判断枠組みの流れを、最後にまとめるとこうなるわね。 投票価値の平等 ↓ 立法裁量 ↓ 合理的期間 ↓ 事情判決の法理 それぞれの考え方ひとつひとつが、非常に難しいものだから、これらを全て包含している本判決は、正直私も理解が不十分なところがあると思っているわ。 個人的には、この判例検討は避けようかとも思っていたんだけど、また勉強して理解が深まった際には、適宜修正していけばいいかな、って思ってね。 大変だったけど、私は一緒に勉強できて良かったと思っているよ? |
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私もです。 憲法の勉強会に参加させてもらって良かったと思いました。 |
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あ、そう言えば・・・ 最初に、一票の格差の一応目安としては、衆議院なら1:3ぐらいだったら違憲って言いそう(平成23年まで)、参議院なら1:6ぐらいまでなら合憲って言いそう(平成24年まで)って感じで、私も捉えていたって言ったけど、今はそれぞれ最新判例が出ているからね。もう、この目安は通用しないからね。 今は、衆議院なら1:2.3でも違憲状態。 参議院なら、1:5.0でも違憲状態とされるからね。 前者は百選U 158事件。 後者は百選U 155事件ね。 また後々検討するかも知れないし、しないかも知れないから、各自抑えておくようにしてね。 |
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・・・一緒に検討してくれないんですか? | ||
私自身が、まだ検討不足で理解できていないところあるから、ちょっとね・・・ | ||
・・・助かった(ボソっ | ||
ん? なんか言った? |
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ひ、ひ、光ちゃん! 今日はお疲れ様っ! あ、そだ。 良かったら、いつも御世話になってるし、あたしが今日は晩御飯ご馳走するよ! |
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いいよ、いいよ。 サル、いっつもお金ない、ないって言ってるのに、そんなサルに御馳走なんてして貰えないわよ。 気持ちだけで十分嬉しいから。 |
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いいよ、いいよ。 流石に今日は、あたしも反省したから。お詫びってことでさ。 |
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本当にいいわよ。 その気持ちは次回以降の勉強会で態度で示してくれればいいから。 |
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いや、ホントにホントに。 あたしの謝罪の気持ちだからさぁ。 たまには、あたしにも光ちゃんに御礼させて欲しいなぁ。 |
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明智先輩。 藤先輩の厚意を受けとってあげて下さい。 |
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わかったわよ。 それじゃ、サルの御言葉に甘えることにさせてもらうわね。 |
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うんっ!! それじゃ、今夜はあたしん家で仲良く晩御飯食べよっ! |
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え!? サルの家で!? |
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昨日、スーパーのモヤシが一袋9円だったから大量購入したんだよね! カレーモヤシ炒め オイスターもやし炒め もやしの酢の物 茹でモヤシ モヤシの味噌炒め もやしナムル もやしスープ モヤシサラダ・・・光ちゃん、心行くまで楽しんでよ! |
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や、や、やっぱり悪い・・・から・・・いい・・・ | ||
明智先輩っ! 藤先輩の厚意を断るのは、よくないです。 |
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いや、もうコレ、厚意の名を借りた嫌がらせにしか私には見えないんだけど・・・ | ||
遠慮しなくっていいから、いいから! ホント、好きなだけ食べてくれていいから! ご飯も20合は用意するから! |
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い、い、いらない・・・ | ||
明智先輩良かったですね。 | ||
ほらほら、光ちゃん。 早く行こっ! 今夜は楽しいモヤシパーティーだよ! |
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ヤダヤダヤダ・・・ タ、タ、タスケテ・・・ |