構成要件要素 C因果関係 | ||
今日は、因果関係をどのように判断するのかを、さらに細かく、学説や実務での判断枠組みを勉強することにしましょ。 | ||
光ちゃん、なんか、変な背後霊が、あたしの後ろにいるんだけど? | ||
背後霊なんてヒドいです! この前、明智先輩は、刑法の勉強会に来てもいいって言ってくれたです! |
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そうよ、サルぅ。 ナカちゃんに謝りなさいよ! |
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今日は、明智先輩が、私を変な例えに出さないよう、しっかり監視するつもりです! | ||
あら? ・・・私も非難されちゃってたのね・・・ |
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ぷぷっ。 ザマァ! |
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そ、そ、それじゃ今日は例えにも気を付けないとね。 えーっと。じゃあ質問するね。 ナカちゃんが、大学構内に居たから、ナカちゃんの大学の友達が後ろから驚かせようと思って、背中を強くドンと押したの。 でも、ナカちゃんってやたら気絶する特異体質じゃない。 それで、ナカちゃんが気絶しちゃって、卒倒して頭を強く打って死亡しちゃったの。 この場合、ナカちゃんの死亡と、そのナカちゃんの大学の友達の行為との間に因果関係を認めていいと思う? |
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また微妙な質問にしたなぁ〜。 | ||
うう・・・ 流石に私でも、それでは気絶しないと思います・・・ |
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行為時の特殊事情って、いう論点の話だからね。 例えが、今一つとか、そんな話どうでもいいから、考えて、考えて! |
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普通は、そんなことでは気絶しないよね。 ナカちゃんは、そういうちょっと変な子だから、そのあたりも考慮すべきなのかな? |
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変な子・・・ 藤先輩もヒドいです! じゃあ、藤先輩は、私を殺したんだから殺人罪です! |
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いやいやいや、殺人の故意はないでしょ? 驚かせようと思って・・・って言ってるじゃないの。 しかも、ナカちゃんを驚かせたのは、あたしじゃないからね。 大学のナカちゃんの友達だからね! ってか、問題は因果関係があるかないかだから、適用法条まで言わなくっていいから! |
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色々考えててくれてるみたいでいいわね。 この行為時の特殊事情について・・・ つまり、一般人も行為者も知り得なかった事情があいまって死亡という結果が発生しているような場合において、驚かせた行為と、死亡という結果とを法的に結び付けて良いか、が問題となっているのよね。 このような場合に、どこまで因果関係を認めるべきか、という観点から、学説は、次のように分かれているのよね。 @条件説(等価説) ・・・因果関係における限定を放棄。 A相当因果関係説 ・・・その行為から、その結果に至ることが経験的に通常(=相当性)だといえる場合に刑法上の因果関係を肯定。 ただし、相当因果関係説は、さらに因果関係の範囲をどこまでとするのか、という観点から大きく3つに分かれるから、そこまで抑えておいてね。 A−1 主観的相当因果関係説 ・・・行為者の認識した事実(認識し得た事実)を基礎とする。 A−2 折衷的相当因果関係説 ・・・一般人の認識し得た事実および行為者の特に知っていた事実を基礎とする。 A−3 客観的相当因果関係説 ・・・行為時に存在していた全ての事実を基礎とする。 と、あるのよね。 理解としては、相当因果関係説を採り、その中でも、折衷的因果関係説(折衷説)を採るという考え方が通説の立場ね。 |
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色々な考え方があるんだね。 うーん、今一つ具体的にピンと来ないんだけど・・・ |
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じゃあ、今の質問を、それぞれの学説にあてはめて、因果関係を判断してみるといいわ。 どの考えが自分にとって妥当と考えられるかも理解できると思うしね。 それじゃ、条件説だったら、どうなるか考えてみて? |
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条件説は、因果関係論における限定を解除するんだよね・・・ ってことは、条件関係があれば因果関係肯定ってことでいいんだよね? ナカちゃんの友達が驚かせたから、ナカちゃんが気絶して卒倒して頭打って死亡してるんだから・・・条件関係ありってことで、因果関係が肯定されるよね? |
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そうなるわね。 ただ、条件説だと、あまりに広すぎると言えるわよね。 『アレなければコレなし』で、限定なしに因果関係を捉えてしまうと、極端な話、ナカちゃんの、その友達が生まれてこなければ、ナカちゃんが死ぬこともなかった・・・ということになってしまうわ。 このように無限に因果関係をもってしまうことは妥当とは言えないわね。 かつては条件説もあり、判例の立場も条件説ではないかと言われている時期もあったんだけど、今は、この条件説はとられていないわ。 理由は、今の説明でワカルよね? |
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うんうん。 納得できるかも。 |
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条件説では、あまりに広すぎると言うのであれば、行為と結果とを、どの範囲で法的に結び付けていいか(=因果関係を認めていいか)ってことが問題になるわけよね。 じゃあ、次は、さっきの質問を、相当因果関係説の主観的相当因果関係説で、考えてみたら、どうなると思う? |
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ちょっと待ってね・・・えーっとね。 主観的相当因果関係説だと、行為者の認識した事実(認識し得た事実)を基礎として、その行為から、その結果に至ることが経験的に通常(=相当性)だといえる場合に刑法上の因果関係を肯定するわけでしょ? となると・・・ 行為者のナカたんの友達は、ナカたんの変な特異体質(すぐに気絶する体質)については知らなかったとすれば、まさか、ちょっと驚かせたくらいで気絶するとは、経験的に通常とは思わないよね。それならば、因果関係は否定されそうだよね・・・ でも、仮に、驚かせたのが、あたしだったら、あたしはナカたんの、この変な体質も知ってるわけだから、驚かせたら気絶するかも、ということを知ってるから、因果関係が肯定されることになるわけ? |
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変じゃないです! 私は、変じゃないです! |
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ナカちゃん、泣かないでよ。 やたらと卒倒するというのは、変とまでは言わないけれど、普通の人とは異なる体質ではあるわよね。 今サルが考えてくれた検討で、概ね正しいわね。 行為者の、ナカちゃんの友人が認識していれば、その認識を基礎としていいこととなるけど、知らないのであれば、それを基礎として因果関係を判断するのは酷であると言えるわね。 ただ、そうなると行為者が「知らなかった」「知ることができなかった」と主張してしまえば、そうした事情、事実については、因果関係を判断する基礎から除く必要が生じるわよね。 でも、それでは、因果関係が肯定される範囲が、狭すぎるという批判はあるところよね・・・ |
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ウキっ! あたし、刑法得意なんじゃね? |
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うんうん。 刑法は、サルは好きそうだよね。ドラマとかの影響かも知れないけど、好きこそモノの・・・って言葉もあるし、いいことだと思うわ。 じゃあ、次の質問も、その調子で考えてみて。 今度は、さっきの質問を、客観的相当因果関係説で考えてみて。 |
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客観的相当因果関係説は、行為時に存在していた全ての事実を基礎として、その行為から、その結果に至ることが経験的に通常(=相当性)だといえる場合に刑法上の因果関係を肯定する考え方なので、私の体質については、私が以前から、この体質である以上、判断の基礎として考慮されるべきです! 私のような、身体の弱い人間は、ちょっとしたことでも気絶してしまうのですから、驚かせば気絶して、卒倒した際に打ち所が悪ければ、死亡してしまうことは、経験的に通常と言えると思います。 ですから、社会通念上、相当性を有する因果関係があると言えます! |
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いや、ないない。 ちょっと驚かせたら、気絶するなんて人が居たら、あたしが困っちゃうよ。 |
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そうよね・・・ あんた、子供の頃は、私を驚かせることに命かけていたもんね。 ヘビを投げつけてくるわ、下駄箱に蛙を忍ばせるわ、背中に生きた魚をブチ込まれるわ、ホントやりたい放題だったわよね・・・ |
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子供のしたことだからね。 あたしは、もう何とも思っていないから大丈夫だよ? |
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あんたはやった方でしょ? 反省すべき側の立場なのに、ナニを被害者側の目線で、しゃべってくれてんのよ! |
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ヘビさんや蛙さんやお魚さんだって、光ちゃんにぶつけられて迷惑だったよね。 ホント、アイツらには悪いことしたと、今は素直に反省してるお。 |
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ちょっと! あんた、ドコに反省してんのよ! |
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チッ、うっせーな 反省してま〜す! |
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なんか反省してるようには見えないんだけど・・・ まぁ、昔のことで争ってても仕方ないから、見逃してあげるわよ! えーっと。 ナカちゃんの考え方で正しいわね。 客観説によれば、行為時に存在していた全ての事実を評価の基礎とすることとなるからね。 ナカちゃんの体質については、行為時に既に存在していた以上、行為者のナカちゃんの大学の友達が、その事実を認識していたか否かは問題とはならないわけよね。 でも、そうなるとよ? 行使者の主観を一切排した全ての事実を評価の基礎とすることになってしまって、あまりに広すぎるのではないか、とも言えるわよね。 しかも、それって結局、条件説と変わらないんじゃないの? とも思えるわ。 |
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だから、折衷説(折衷的相当因果関係説)が妥当! って言いたいわけでしょ? |
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別に私見じゃないもん。 今の学説の通説を説明してるだけなのに、なんか言い方が引っ掛かるわね。 折衷的相当因果関係説だと、一般人の認識し得た事実および行為者の特に知っていた事実を基礎とするわけよね。 そうなると、サルのようにナカちゃんの特異体質に知ってて行為をとった行為者に対しては、その認識があった以上、この事実を評価の基礎とすることも出来るわけ。 また、行為者が「知らなかった」、「知ることができなかった」と主張したとしても、その事実が、通常一般人の認識し得る事実であるならば、その事実を評価の基礎とすることができるということになるのよね。 この考え方が、折衷的相当因果関係説なの。 ワカッタかな? |
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成程ねぇ。 うん、折衷説、理解しますた! |
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折衷説をとっても、私の死亡と、背中から強く押した行為との間には、因果関係はあります! | ||
感情的な評価はしちゃダメよ。ナカちゃん。 その事実が、一般人の認識し得たものか、行為者が特に知っていたものかを言わないと、因果関係があるとは言えないからね。 |
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因果関係はあります! あります!! |
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珍しい。 ナカたんが、えらい騒いどるお。 |
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私の質問の出し方が悪かったみたいね。 さっきの質問は、行為時の特殊事情の介在という事案での質問だったのよね。 じゃあ、今度は、行為後の介在事情という事案を考えてみましょ。 ナカちゃんの配役については、私も気を付けるから、もう機嫌直してね? 質問。 サルが私を、殺意をもってナイフで切りつけてきたの。 私は、幸い軽傷で済んだんだけど、病院に運ばれる途中に、交通事故に遭ってしまい、その事故が原因の内臓破裂によって死亡したの・・・。 この場合、さっき学んだ相当因果関係説の折衷説では、ナイフで刺した行為と、私の死亡との間に因果関係は認められると思う? |
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いやいやいや! 相当因果関係説はその行為から、その結果に至ることが経験的に通常(=相当性)だといえる場合に刑法上の因果関係を肯定するんでしょ? あたしが、刺したからって言って、その後の交通事故なんて、一般人の認識し得た事実でもなければ、行為者の特に知っていた事実でもないじゃないの! そんなことを、因果関係の判断の基礎になんてできないでしょ?! つまり、因果関係ないよ! 絶対ない! ない! あるわけないっ! |
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なんで、ナカちゃんもサルも、質問の配役にやたら感情移入するかなぁ? もう少し、論理的に冷静に話してくれないと・・・ でも、サルの考え方は正しいわよ? 行為後の介在事情(ナイフで刺した後の交通事故)自体、行為時には予見不可能よね。 そうであれば、判断の基礎から除外するべきと言えるわよね。 したがって、この場合は、相当因果関係の話にはならないわ。 この行為後の介在事情があった場合、従来の判断枠組みは、次のように考えるのよね。 @判断の基礎を設定 ⇒ 介在事情が予見可能であれば前提とする ⇒ 介在事情が予見不可能であれば除外する A因果の経過が相当かを検討 |
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ふぅぅ。 助かった・・・ いくらなんでもナイフで刺して軽傷だったのに、死んだら、あたしのせいってのはないよね・・・ |
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まぁ、今の事案だと、そうなるわね。 ちなみに、最近の実務の考え方は、「危険実現」(「危険の現実化」)という判断枠組みをとっているわ。 この考え方は、因果関係の判断をする上で、非常に重要な判断枠組みだから、しっかり抑えておいてね。 この判断枠組みでは、実行行為の危険性が結果へと現実化したときに、因果関係が認められる、と考えるの。 そして、この因果関係の判断にあたっては、2類型に分けて考えることが大事になるの。 1つ目の類型は、 犯人の実行行為によって結果が発生する直接的な原因が作り出された場合。 この場合、犯人の実行行為の危険性が結果へと現実化したと端的に言える以上、その後に結果発生を若干促進する程度の影響を有するにとどまる行為が介入したとしても、そして、それが通常ありえないようなものであっても、実行行為と結果との間の因果関係は否定されないわ。 2つ目の類型は、 結果が発生する直接的な原因となったのが、犯人の実行行為後に介入した行為であった場合。 コレは、さっきの私の交通事故事案の質問のような場合なんだけど、この場合は、そのような行為が介入することがあり得るのかが、そして、それが犯人の行為によって「誘発」されたものか等の考慮によって判断され、それが肯定されるときは、犯人の実行行為と結果との間に因果関係が認められることとなるわけ。 |
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ん? 実務では、危険の現実化っていう判断枠組みだって言うのなら、相当因果関係説の説明いらなくね? |
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最初に説明した相当因果関係説と、この危険の現実化(危険実現)とは、異なる因果関係判断であり別物であると位置づける意見もあるし、両者は同じことを違う説明によってしているだけであると位置づける意見もあるのよね。 コレは私見なんだけど。 いずれの説が妥当か、なんて判断枠組みを固定化して捉えるのではなくって、事案毎に妥当な結論を導くためのツールとして、両者を選択的に利用できればいいかなぁ、って思ってるの。 だから両方を説明したのよね。 今日は、この両者の考え方を、しっかり把握することに努めて、実際に判例では、どのように因果関係を判断しているかは次回にすることにしましょ。 |
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明智先輩は、最初っから、変な質問をされるんじゃなくって、実際の判例を例に出して質問されれば良かったと思います! | ||
うひょ! 今日のチビっ子は噛み付くねぇーっ! いいよ、いいよぉ!! |
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チビっ子? 今の発言は、私に対して言われたのですか? |
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うん。 だって、ナカたん、チビっ子じゃない。 カワイイよ、カワイイよ。 チビっ子、カワイイよ。 |
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そんな言い方失礼です! 私はもう大人なんです! 撤回して下さい! |
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あんた、ナカちゃんが嫌がること言うのは、やめなさいよ! ナカちゃん、ゴメンね、ゴメンね。 |
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ダメです、ダメです! 藤先輩に謝って欲しいです! 私はチビっ子なんかじゃないです! |
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ゴメンね、チビっ子・・・ コレでいいかな? |
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あぁあーん。 またチビっ子って言ってるです! 許さないです、許さないです、許さ・・・ |
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・・・・。 | ||
あ、気絶したお・・・。 | ||
気絶したんじゃなくって、気絶させたんでしょ・・・ 明らかにあんたのせいじゃないの! |
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大丈夫だお。 ナカたん、気絶しても10分も経てば元通りになるんだお。 しかもリセットされるのか知らないけど、前後の記憶若干消えるんで、多分、このやり取り覚えてないお。 |
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あんた、まさかソレを狙って気絶に追い込んだんじゃないでしょうね? | ||
うわっ!! 光ちゃん、そんなこと考えるんだ!! うわっ! 怖っ!! この人、怖っ!!! |
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違うんだったらゴメンね。 なんか妙に、ナカちゃんイジめてるから、まさかって思ったの・・・ |
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くくく・・・ 計画通り |
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もしもーし。 声に出てるわよ? |