構成要件要素・B結果
 
構成要件外該当性の、構成要件要素には、次の7つだったよね。
 @主体
 A行為
 B結果
 C因果関係
 D故意・過失

 E一定の状況
 F特別の主観的要件


 今日はB結果について勉強するわね。
 じゃあ、質問しちゃおっかな。

 A行為B結果を受ける客体保護法益は同じだと思う
上の図だと、私のナイフによって刺すという行為を受けている客体は、光ちゃんだよね。
そうなると、侵害している保護法益は、光ちゃんの生命ってことになるのかな?
ってことは、行為の客体と保護法益は同じっ!
たしかに、上の図の例。
つまり殺人罪刑法199条)の場合だと、客体と保護法益は、サルのいうとおり同じよね。

でも、例えば公務執行妨害罪刑法95条1項)。
この場合は、客体は公務員だけど、保護法益は公務になるわ。

行為の客体と保護法益の違いについて、まず理解してね。
上の図でミスリード誘ってるじゃない・・・ずるぅい。
  間違えてから覚えた方が記憶には定着しやすいらしいから、むしろ喜んでよね。サルに、よかれと思って、こういう聞き方してるんだよ?

じゃあ、結果の違いによって分かれる概念があるから、それを抑えてね。
侵害犯危険犯2類型なんだけど。

侵害犯は、法益侵害を結果とする犯罪をいうの。

これに対して、危険犯は、法益侵害の危険(法益侵害発生の可能性)を結果とする犯罪をいうのよ。

危険犯については、さらに具体的危険犯と、抽象的危険犯とに分かれるの。
違いを言葉で言うよりも、実際に見てもらおうかな。
六法で、刑法110条1項、その後に刑法108条1項をひいてみて。
じゃあ、まず刑法110条1項ね。

(建造物等以外放火)第110条第1項
 放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。


そんで次は、刑法108条1項ね。

(現住建造物等放火)第108条第1項
 放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。


んみゅ?
光ちゃん! 違いがワカラナイよ!
危険犯っていうぐらいだから「危険」って文言に注意して読んでね、って言ってあげればよかったね。

具体的危険犯は、条文上、具体的な危険の発生が要求されているの。刑法110条1項には、条文に『公共の危険』って、はっきりと、危険の発生が要求されているでしょ。

これに対して、抽象的危険犯刑法108条1項は、一般的・抽象的に危険な行為が要求されてはいるものの、条文上は書いていないのよ。

だから、前者(具体的危険犯は特に危険発生の認定が求められるってことね。
  ふ〜ん。
前回間接正犯の勉強のときは、いい目してたのに、今日はいつも通りのサルじゃない!
ちゃんと聞いてるの?

次の論点まとめちゃうわよ。

継続犯状態犯違いについても抑えておいてね。
ただ、まだ各論の勉強をしていないから、今は一応、それぞれの名前と、対応する犯罪を抑えておくぐらいでいいわ。

継続犯と状態犯の一番重要な違いは、犯罪の終了時期なの。
この終了時期の違いから、公訴時効の起算点がかわることになるからよ。
ふ〜ん。
  ちょっと、いい加減真面目な顔しなさいよね!

継続犯というのは、結果発生により犯罪が成立し、結果が継続する間は犯罪が継続的に成立するというものよ。
典型例としては、監禁罪刑法220条)ね。

状態犯
というのは、結果発生により犯罪が成立後、法益侵害状態は継続するけど、即成犯と同様、犯罪成立と同時に終了するというものね。
典型例としては、窃盗罪刑法235条)ね。

あ、即成犯の説明していないのに言っちゃったね。
これは簡単だからすぐにワカルわよ。

即成犯というのは、結果発生により犯罪が成立、そしてそれと同時に終了するというものね。
典型例としては、殺人罪刑法199条)ね。
  ふ〜ん。
今日の帰り、一緒にご飯食べに行く?
 
   ふ〜ん。
私のオゴリでいいからさぁ。  
  行くっ!
行くっ!
行きまくるおっ!!
  露骨に反応違うじゃないの!
しかもナニよ! 私との食事は、私が出さないなら行きたくないっての?! 

聞こえてるなら聞こえてるで、ちゃんとワカッタとか、ワカラナイって反応見せなさいよね!

ハイ、次は結果的加重犯を説明するからね!

すぐに六法で、刑法204条傷害罪と、刑法205条傷害致死罪をひいてっ!
・・・ふぁ〜い。

刑法204条

(傷害)第204条
 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。


次は、刑法205条ね。

(傷害致死)第205条
 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。


読んだよぉ。
  ナニよ、そのいかにも「読まされてる」感出しまくりな態度はぁ!

もっと条文の構造に着目して、読んで欲しかったなぁ。
205条基本犯204条
205条は、基本犯204条結果的加重犯ってことなのよ。

205条は、204条傷害がまずあって、それに「よって」人の死亡という結果を招いた者を罰する条文なの。

つまり、結果的加重犯とは、基本となる犯罪基本犯)から重い結果(加重結果)が発生した時に成立する犯罪なのよ。

結果的加重犯における加重結果について過失は必要か、という議論があるわ。
判例は、過失は不要としているんだけど、学説は『責任なければ刑罰なし』とする責任主義から、過失は必要とする立場を示しているわね。この議論においては、判例と学説とが真っ向から対立しているといえるわね。
  ふ〜ん。
・・・・・。
  ん?
あ、もう終わり?
ええ、そうね。
さぁ、お楽しみのご飯に行きましょうか。 
  ヒャッほいっ!
待ってましたぁっ!!
中華の満漢全席いこ、満漢全席っ!
今日はアッサリ終わったお陰で、まだ学食が開いているわね。
量だけは多いと専らの評判の学食名物カレーライス2000gをオゴッてあげるわ! 
ちょ、ちょ、光ちゃん・・・
アレ、量だけは多いって評判になってるのは、ルーに味がないという、トンでもカレーだからなんだよ・・・
別にオゴるとは言ったけど、ナニを、とは指定してなかったからね。
さぁ、行きましょ? 
ちっきっしょぉぉぉぉぉぉぉっ!!!

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