それじゃ、始めよっか。 回数一杯打ちたいし、とりあえず、みんなの腕試しってことで、東風戦にするけどいいよね? えーっと、カリカリが私、カリが光ちゃん・・・ んーっと、起家は光ちゃんかぁ。 南家が、ナカたん。 西家が、クロちゃんで。 北家が、あたしだね。それじゃ、席替え、席替えっ! あ、始まってからバタバタするの面倒だし、先に飲み物は、それぞれ用意しといてね。あたしん家の冷蔵庫、お冷(ひや)ならあるから好きに飲んでくれていいよ。 |
||
コレ、ただの水道水でしょ? まぁ、お冷には違いないけど・・・ |
||
あ、私、家から差し入れで、カルピス持ってきました。 よかったら、使って下さい。 |
||
私も、家から麦茶を煎れて持ってきました。 よかったら、飲んで下さい。 |
||
なんだみんな準備いいじゃないの。 あれ? ひょっとして、あたしん家には、飲むモノも無いって思われてるのかな? |
||
実際ないじゃないの! | ||
光ちゃん。 水道水だって、タダじゃないんだから、飲むモノはあるでしょ! |
||
藤さん、言ってくれれば、私、お茶くらいなら煎れて毎日用意しますよ? | ||
クロちゃんは優しいなぁ。 光ちゃんなんて、文句言うばっかりだもんねぇ。 |
||
はいはい。 それじゃ、そろそろ始めちゃうけど、いいかしら? |
||
どれどれ、光ちゃんの親番ですかぁ。お手並み拝見といこうかなぁ。 | ||
あんたまで親廻らないかもね! | ||
あらら・・・ 最初っから箱る気満々なの? 光ちゃん。 |
||
東1局 親:明智光 ドラ: | ||
くぅぅぅぅっ! サルのくせに! サルのくせに!! ホラ! 山積んだわね! えーっと、対7・・・黒田さんの山からの取り出しですね。 |
||
あ、はい。 す、す、すみません。 ココからです・・・ |
||
よし、配牌は悪くない! まぁ、格下入ると、手が入るって言うからなぁ。 この面子なら、当然だよね。 |
||
失礼。 5巡目ですけど、リーチかけさせて頂きますわね。 |
||
え? もう聴牌なんですか? |
||
はわわっ! | ||
まぁまぁ、慌てる乞食はナンとやら・・・ってね。 どうせ、親番って理由だけで、リーチしちゃってるんでしょ? (くそぉ、早過ぎるよ! ナニ、そのリーチ、全然ワカラナイし!) |
||
一発ツモっ。 | ||
な、な、な、な、 なにソレ!? |
||
アラ? 三色や平和を御存知ないんですの? |
||
え・・・ええーっと、えーっと。 リーチに、ツモもあって・・・ あ、タンヤオと、ピンフもありますよね。 それに、三色と・・・ ドラが2枚あって・・・赤牌も3枚・・・ |
||
はいはい。 三倍満、三倍満。 おめでと。 おめでと。 |
||
あら? 木下さんは、ホントに役を御存知ないんですのね? イーペーコーと、一発もついて数え役満じゃなくって? |
||
っ!! (ちくしょぉぉ。バレてる・・・) |
||
明智先輩凄すぎます・・・ いきなり48000点なんて・・・。 |
||
東1局1本場 親:明智光 ドラ: | ||
(くそぉぉぉぉ。 光ちゃん、配牌やツモまで金満じゃないかよぉ。 5巡で、あんな化け物手張るだけでもスゴいってのに、一発で高目ツモって、どんだけ金持ちなんだよ!) |
||
・・・。 (私もいいとこ見せないと、藤さんが次からは相手にしてくれなくなっちゃうかも・・・ 麻雀打てるって言った以上、少しは見せ場がないと・・・ この手なら、藤さんも認めてくれるよね・・・ 高目狙いなんだから、リーチせずに、ダマ聴しとくのがセオリーってあったから、リーチしないのがいいんだよね・・・) |
||
・・・・・・。 | ||
(ヤバい、ヤバいよぉ。 脇の2人は、どうせ積み木やってるだけなんだから無視してもいいけど、光ちゃんとの点差を詰めておかないと・・・。 せっかくドラ・赤合わせて4つもあるってのに、ツモが進まない・・・) |
||
あ・・・・ツ、ツモ・・・・です・・・ | ||
ツモピンだね・・・ 七本、四本の1本付だね・・・ (リーチかければ高目ツモで、8000・4000の倍満まであるってのに・・・ このメガネ、マヂで細いわぁ・・・ 光ちゃんが持つ者なら、持たざる者と言わざるを得ないアガリだよ・・・なんか泣きそう・・・) |
||
あぁーあ。 私の親が流れちゃったぁ〜。 |
||
散々稼いでおいて、その言い方かお・・・ | ||
黒田先輩、すっごく綺麗な手だけに、残念でしたね。 | ||
え? ホントにそう思う? ありがとう! 竹中さん。 |
||
東2局 親:竹中半 ドラ: | ||
くぅぅぅぅ。チェッ! リャンメン(両面)待ちにはならなかったかぁ。 まぁいいや。えーい、リーチっ! |
||
(サル捨て牌) |
||
(なんだろ・・・なんか変な捨て牌してる・・・ パッと見た感じ、清一色っぽいんだけど、リャンメン待ちにならなかったぁって悔しがっているとこ見ると、単騎かシャンポンあるいはペンカンチャンの愚形ってことよね。 このクッソウは、場の捨て牌に2枚。ドラ表示牌に1枚だから、私の牌がラス牌。 国士の可能性は、西がサルの捨てたので4枚目だから、それはないし。 つまり、このクッソウは単騎にしても、シャンポン、ペンカンチャン、いずれにしても待ちようがないから、通る牌ってことになるわね。 うん。) |
||
光ちゃぁーん。 1人で麻雀するのはやめてよぉ。 サクサクやって欲しいなぁ。 |
||
はいはい。 ワカッタわよ。 はい。 クッソウ。 |
||
なんだよぉ。 散々待たせて、クッソォって、ホント、クソ・・・ |
||
・・・からのぉぉぉぉぉっ!! ロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロぉぉぉぉぉぉンっ!! 超絶スーパーウルトラどどどど弩高目ぇぇぇーーっ! |
||
ぶべらぁぁぁあっ! | ||
リーチ一発清一色! ドラが4つに赤が1つ。 しかも、ヌルい誰かさんのお陰でイッツーまでついて・・・ あ、点数変わんないわ! 裏ドラは、親友のよしみでまけてやんよ、の32000点っ! |
||
ちょっとっ! あんた、ナニよ! その待ちはっ! |
||
見てワカラナイなら聞いてもワカラナイ気がするんだけど・・・。 まぁ、あたし優しいから教えてあげるよ。 3−6−9の三面チャンだね。 |
||
そんなこと聞いてるんじゃないわよ! あんた、リャンメン待ちにならなかったかぁって言って、リーチかけたじゃないの! |
||
三面待ちなんだから、リャンメン待ちにはならなかったってことに嘘はないと思うけど? | ||
明智さん、確かに藤さんは、リャンメン待ちにはならなかったかぁって言われてリーチをかけてみえます。 嘘は言ってみえないと思いますけど。 私は、それよりも他家のアガリに対しての明智さんの態度の方が問題あるかと思いますが・・・。 |
||
ええ?! わ、わ、私? |
||
うんうん。 他家のアガリへの批判はマナー違反だよ? |
||
・・・・。 なんかスッゴく納得いかないんだけど、払えばいいんでしょ? 払えばっ!! |
||
・・・・・・。 | ||
東3局 親:黒田つかさ ドラ: | ||
あぁ・・・コレが海底(ハイテイ)ですね・・・ ノーテンです・・・ (親番なのに、いいとこ見せられなかった・・・ 藤さん、次は呼んでくれなくなっちゃうかも・・・) |
||
聴牌です。 | ||
スッタン欲張らなかったのに、アガれないんだぁ・・・聴牌。 ナカちゃん惜しかったけど、高目は純カラだったね。 (六萬は場に1枚出ていました) |
||
ノーテン・・・。 (ひゃぁ・・・・危ない、危ない。 ナニ、このゴジラVSモスラみたいな豪勢な2人の手は。 ってか、ナカちゃん、ちゃんと麻雀してたんだ。 あたし、てっきり座ってるだけかと思ってたよ・・・ まぁ、メガネの娘は、残当ってところかなぁ。) |
||
東4局流れ1本場 親:サル ドラ: 供託1000点(光・立直棒) | ||
あ、それじゃオーラスだから、点数申告ねぇ。 あたし、39000点。 |
||
私は40700点。 私の家なら自動卓だから、手積みや点数確認必要ないのになぁ。 |
||
9300点です・・・。 (ああ・・・やっぱりラスだぁ・・・) |
||
10000点です。 | ||
あら? 随分と偉そうにしてみえた木下さん、私よりも点棒少ないようですけど、大丈夫なんですの? |
||
まぁ、光ちゃんにはいつも御世話になっているからねぇ。 少しぐらいは接待してあげないと。 どう気分良い? |
||
いいわけないでしょ! あんたの三味線に、まんまとハメられた振込みには、まだ腹立たしい思いしてるわよ! |
||
明智さん! 藤さんが嘘をついたような言い方は、私が許しませんよ? |
||
いえ、黒田さんには申し訳ないんですけど、やっぱりアレは・・・ | ||
やだなぁ。 あたし、リャンメンじゃないって言っただけなのに、類推解釈しちゃったの? 罪刑法定主義から導かれる準則では、類推解釈は禁止だよ? |
||
私とあんたとは私人同士なんだから、民法が適用されるのよ! 私に法律講釈するのはやめてよね! |
||
おおっ、こわっ!! まぁまぁ、それじゃ、雌雄を決するべく打つこととしますか。 |
||
がるるるるる!! | ||
(明智先輩が、一番気合い入ってる・・・) | ||
えーっと、チョンチョンっと。 っと・・・ うえぇぇぇ。 こ、こ、コレが配牌っ!? |
||
ウフフ。 配牌が悪いみたいじゃないの、木下さん? |
||
さぁ、どうかなぁ? まぁ、光ちゃんがそう思うのは勝手だけどね! |
||
日頃の行いが悪いからよね。 その点、私なんかは普段からの素行がいいから、こういうときにも・・・うんうん。 |
||
・・・。 (普段からの振る舞いが配牌に影響を与えるというのなら、藤さんの配牌だっていいはずなのに・・・明智さんヒドいよ。) |
||
(・・・地和(役満)のチャンスです。 この3面チャンを引ければ、私のトップです。) |
||
くぅぅぅ。 ラス親だってのに、なんで、こんなバラバラなの? 一面子どころか雀頭さえないよぉぉぉ。 やる気しないよぉ。 |
||
あらあら。 木下さんはお困りみたい・・・。 ウフフ。 いい気味っ! |
||
・・・・。 (隣でしたか。 でも、こんな手をダブル立直じゃ意味がないです。 四暗刻にまで伸ばして見せます! 打) |
||
ウフフフ。 (サル! 悪いけど、勝負あったみたいね。 この4面チャンが配牌よ? 悪いことばっかりするから天罰よ!!) |
||
さてと・・・ 華麗に地和でラストを・・・ あら? ナニよ、この不要牌は。 (打) |
||
ロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロン□ンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンロンメギドラぉぉぉぉぉぉンっ!! | ||
ぶはぁあぁぁっ!! | ||
こっくしむそぉぉぉぉぉぉぉおおっ!! 親だから、48000点でいいよ。光ちゃん。 あ、流れ一本場だったね。48300点でしたぁ。テヘぺロ。 |
||
あ、あ、あんたねぇっ! 張ってるくせに、なによ、その口三味線はぁ!? やる気しないとまで言ってたじゃないのよ! |
||
御言葉ですけど、藤さんは、「こ、こ、これが配牌」と驚いてみえましたし、一面子もないという言葉にも、雀頭がないという言葉にも嘘偽りはないように思えますが? やる気がしないという言葉も、国士無双以外の手役は「やる気がしない」という意味と思われますけど。 |
||
え? え? 黒田さんは、どうして、そんなにあんなヤツの肩を持つの? っていうか、なんで、そこまで持てるの? |
||
ちょっとちょっと光ちゃぁ〜ん? 点箱に穴でも空いてるんじゃないの? 点棒一本もないじゃないの? 大丈夫ぅ? |
||
きぃぃぃぃぃっ!! 悔しぃ、悔しぃっ! 悔しぃぃぃぃぃっ! |
||
あ、明智先輩、落ち着いて下さい。 | ||
クロちゃん、終わってみれば3チャと善戦してたじゃないの? 惜しいアガリもあったし、筋はいいよ! |
||
えぇぇ? そうですかぁ? 嬉しいです! |
||
私も楽しかったです。 でも、少し疲れてしまったので、休憩にしませんか? |
||
なぁーに言ってるのよ、ナカちゃん!? まだまだ始まったばかりじゃないのよ! さぁ、やるわよ! サルっ!! |
||
箱下までブっ飛ぶようなヘタな人がやる気出しても怖くないよぉぉぉぉだ。 | ||
藤さん、すっごく強かったです。 私も負けないように頑張りたいです!! |
||
あんたと、このメガネも一緒に箱らせてくれるわよ! | ||
え? このメガネ? 明智さん、今の言葉、私に向かって言ったんですか? |
||
さっきから黙って聞いていれば、サルと仲良く結託してくれちゃって! 一蓮托生で、あんたもサルと一緒に倒してあげるわよ! |
||
いいですね! 私も、一度貴方とは白黒はっきりさせたいと思っていたんです。 法律では、まだ勝てないかも知れませんが、麻雀なら運もありますからね! その勝負受けて立ちます! |
||
みんなアツくなっちゃって面白いなぁ〜。 | ||
・・・・。 (藤先輩のせいなのに他人事なんて許されないと思います・・・。) |
||
・・・そんなこんなで、ゴールデンウィークの女子会の夜はふけていくのでした。 経緯はどうあれ、少し他人行儀で余所余所しかった光とつかさの仲も、この夜を境に一気に縮まったことは、結果としては良かったのかも知れません。 因みに、女子会お泊り麻雀大会のトータルラスは、その後もサルの手練手管に翻弄されまくった光でした・・・。 アツくなった光とつかさに、引き摺られるように麻雀を打たされた可哀相なナカちゃんは、サルの家から帰った後、体調不良でゴールデンウィーク中寝込む羽目になってしまいました。 この夜の一番の被害者は、ナカちゃんだったのかも知れません。 |
||
はぁはぁはぁ・・・ や、や、やるじゃないの、あんた・・・ |
||
ふぅぅーっ! ふぅぅぅぅっ! なんで、トータルラスの分際で上から目線なんですか! |
||
私は、あのクソサルが狙い撃ちしてくるから、この順位なのよ! 実力なら、あんたみたいなメガネ、歯牙にもかけないわよ! |
||
負け惜しみとしては面白いですけど、最下位には違いありませんからね! | ||
・・・・・・。 | ||
あぁ・・・それじゃ、御開きにしようか。 もう朝だしね。 |
||
ナニよ! あんた勝ち逃げしようっての! そんなの許されるわけないじゃない! |
||
いや、別にあたしは続けてもいいんだよ? ただ、見てよ。 ナカちゃん・・・ 完全に立ち往生してっから。 |
||
・・・・・。 | ||
藤さんは勝ち逃げみたいな卑怯なことはしませんよ! 貴方こそ、自分の実力を知って、潔く負けを認めればいいんじゃないんですか! |
||
あんた、2000点以上の手、上がってないくせに、よく、そこまで勝ち誇れるわね! | ||
ちょ、ちょ・・・ 仲いいのはワカッタから、片付け手伝ってよ・・・ |
||
・・・・。 |