今日は、住所・居所・仮住所について、まとめるわね。 この論点については、重要度はさして高いものではないから、まぁ、軽く抑えておく程度でいいわよ。 |
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そう言われると、なんか気楽な感じするね。 | ||
あまり論点らしい論点もないところだからね。 住所・居所・仮住所は、権利能力をもつ者(つまり、自然人)の重要な活動場所として、法的に意味をもつものなの。 まずは、「住所」についてまとめるね。 六法をひく癖をつけるという意味で、民法第22条をひいてみて。 |
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民法第22条。 『(住所)第22条 各人の生活の本拠をその者の住所とする。』 |
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ですよね! って感じの条文だね。 |
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あんた、難しくって、ワカラナイと全然集中力見せないし、かと言って、簡単でワカルところだと、今度は頬杖ついて話半分にしか聞かないし・・・ なんで、そう悪い意味で両極端なのよ! いつも真面目に聞いているナカちゃんの姿勢を見習ったらどうなの? 住所の定義は、民法22条の明文にあるとおりね。 じゃあ、「各人の生活の本拠」となる「住所」は、どうやって決まるのか? って問題よね。 この点、民法では実質主義(実質的な生活をしている場所を住所とする)をとっているわ。 ・・・って、あんた、ちゃんと聞いてるの? |
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やだなぁ、光ちゃん。 興味津々だよ。 |
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じゃあ、実質主義を採用して住所を判断するっていうのはワカッタと思うけど、この場合、その場所にいる人が、「定住の意思」を有する必要はあるか、ないか? さぁ、質問に答えてみて? |
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たしか、当事者の主観的意思は要しないはずです。 客観的に判断して、実質的な生活の本拠といえる場合は「住所」とすべきといえます。 |
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さすが、ナカちゃん! ホント、いつも真面目だよねぇ。 それじゃ、こんな質問はどうかな? 住所は、1人の人について1つだけ? それとも複数存しうる? あ、別に、ソッチの頬杖ついてみえる方が答えて下さっても、構いませんことよ? |
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落語の寿限無では、「食う寝るところに住むところ」って言葉で、住むところ(「住所」)は人に欠かせない大切なものとされています。 私は、住所を含めて、その人の人格を形成していると思いますから、住所は1人の人について1つだけかと思います。 |
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ナカたんが1つなら、あたし、複数にしとくぅー。 | ||
理由も言わない答えは却下しまぁーす。 ナカちゃんの考え方は、単一説って呼ばれる考え方ね。 そのように考える人もいるけど、今は複数説(法律関係基準説)が通説的立場かな。 例えば、自営業をされてみえる方が、自宅とは別個に店舗を持っている場合を考えてみればいいんじゃないかしら。 自宅、店舗、それぞれの場所が、法律関係ごとに個別に判断できる「住所」といえることになると思うわ。 判例の立場は、いずれかは明確になっていないわ。 単一説ともみ得るものもあれば、複数説ともみ得るものもあるからね。 |
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ナカたん、わかった? 「住所」は複数観念できるんだよ? |
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はい・・・わかりました。 |
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なんで、ちゃんと勉強してるナカちゃんに、あんたが偉そうにできるのよ! 「住所」には、幾つかの法律効果が与えられているわ。 例えば、この後で勉強する「不在者および失踪の基準」(民法25条、30条)、他には、「債務履行場所の基準」(民法484条)とかね。 ちょっと、そこの頬杖ついてみえる方、六法で民法484条をひいてくれませんこと? |
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見てワカラナイかな? 今あたし、手がふさがってるから無理だよね? |
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ふさがってるんじゃなくって、ふさいでるんでしょ! よくもそんな言い訳にもならない言い訳を、いけしゃーしゃーと言えるわね! 別にいいわよ。 私は、どんな条文か把握してるんだし、サルが、そんな態度ならもう六法なんて開ける必要ないわよ! |
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ゴメンなさぁい・・・ だって、光ちゃんが軽く抑えとけばいいって言ってくれたからさぁ。 484条だっけ? 『(弁済の場所)第484条 弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。』 あ、ホントだ。 その他の弁済は債権者の現在の「住所」ってなってるね。 |
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もう・・・いいわよ。 サルは甘やかすと、ホント際限なくつけあがるんだからぁ。 他にも、「住所」は、裁判管轄とか、裁判籍の基準になったりするわね。 このあたりの法律用語については、民事訴訟法で勉強することになるから、ここでは「住所」の法律効果には、様々なものがあるんだ、ってことを抑えてくれればいいからね。 |
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こくこく(相槌) | ||
それじゃ、次は「居所」ね。 「居所」については、特に補足的に説明することはないわ。 条文を読んで、理解しといてね。 一応、一緒に読んでみようか。 六法の民法23条を読んでみて。 |
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民法第23条 『(居所)第23条第1項 住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。 第2項 日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなす。ただし、準拠法に定める法律に従いその者の住所地法によるべき場合は、この限りでない。。』 |
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ありがとうね。 それじゃ、最後に「仮住所」をまとめて終わりにしちゃいましょ。 ただ、仮住所は、実際にはあまり行われていないそうよ。 実際、私も実生活上で耳にした記憶ないしね。 条文だけは、目を通しておきましょ。 民法24条を読んで・・・あ、最後くらいは、サル、あんたが読みなさいよ! |
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民法第24条ね! 『(仮住所)第24条 ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。』 よっしゃぁっ! 今日も、MAX頑張ったよっ!! |
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あんたのやる気メーターの上限値の低さには、今更ながらに驚かされるわ・・・ | ||
任せといてよ! 光ちゃんっ! |
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ナニを任せろって言うのよ、一体・・・ |