はい。 それじゃ、お弁当も食べたことだし予定通り、動産譲渡登記ファイルとは、どのようなものかについての話をするわね。 |
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オネーちゃんっ! いつまで御弁当の美味しかった余韻に浸っているのっ! 光おねーちゃんの話が始まるよ!! |
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・・・とても至福の余韻の表情には見えないです・・・。 アレはそう・・・絶望的な喪失感を感じるです・・・。 |
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藤さん・・・。 | ||
サルぅ〜。 落胆しているのは察するけれど、あんたも2個は御弁当食べたんだから、いいじゃないの。 それより、話聞いておかないと、後で困るかもよ? えーっと、2004年に「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」が改正されて、動産譲渡の対抗要件についての特例が設けられたわ。 改正によって法律の名称も変更されて「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」とされたわね。 略して「動産債権譲渡特例法」と呼称されるわね。 つかさちゃんが言っていた動産譲渡登記ファイル制度については、この法律の3条1項に規定があるわ。 |
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動産債権譲渡特例法3条1項 『(動産の譲渡の対抗要件の特例等) 第3条 1項 法人が動産(当該動産につき貨物引換証、預証券及び質入証券、倉荷証券又は船荷証券が作成されているものを除く。以下同じ。)を譲渡した場合において、当該動産の譲渡につき動産譲渡登記ファイルに譲渡の登記がされたときは、当該動産について、民法第百七十八条 の引渡しがあったものとみなす。』 |
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この規定は、法律改正によっておかれるようになったんだけど。 主体を『法人が』と定め、法人がする動産の譲渡に限って『当該動産の譲渡につき動産譲渡登記ファイルに譲渡の登記がされたときは』、民法178条の『引渡し』があったものと『みなす』旨を規定しているわけね。 つまり、この条文によって、動産についても、登記という対抗要件の制度が導入されたわけなの。 |
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じゃあ、チイみたいな一般人(=自然人)は関係ないってこと? | ||
そうなるわね。 『法人』がする動産の譲渡に限る、という限定があるからね。 話を進めるわね。 この登記がなされると、民法178条の『引渡し』があったことになるわ。 したがって、この登記をすることが、対抗要件を具備することになるわね。 登記には、登記がされた日時が記録されるため、二重に登記がなされても、また、登記とは関係なく、その動産について『引渡し』がなされても、その優先劣後の関係は、登記と比較した先後によって決することになるわ。 これは、先にした方が勝ちとなるわ。 |
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こくこく(相槌) |
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あばば。 あばば。 |
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藤さん、しっかり! しっかりっ!! |
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つかさちゃん、ほかって置いていいわよ。 なんで、御弁当2つ食べておいて、それだけサボれるのかしら。 この制度なんだけど。 主に、動産、それも集合動産を譲渡担保という方法によって担保の手段とすることに利用されることが多いわね。 もちろん、多いというだけで、この法律の適用自体は、譲渡担保ではない譲渡にも適用されるんだけどね。 因みに、譲渡担保については物権法の最後の山場として勉強することになるから、この動産譲渡登記ファイルについては、その際に、また話すことになるからね。 聞いているの? 木下さん? |
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あばば。 あばば。 |
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あばば、あばば、じゃないわよ、もうっ! 大体ソレ、何語なのよ、一体。 |
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私、去年の学部の講義では途中までしか出席出来なかったので、集合動産譲渡担保については、よくワカッていないです・・・。 自分で、基本書なんかも読んではみたのですが難しいです。 |
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集合動産譲渡担保については、また改めて、しっかり勉強するつもりだけれど、ココでザックリ説明しておくと、この制度は、例えば、ある倉庫に置いてある一定量の同種の商品とか、ある工場に備え付けてある多くの機械類といった物を担保にして、融資を受けるような場合に用いる制度として法律化されたのよね。 | ||
企業の倉庫にある在庫商品なんかが、そうだよね! 商品の流通はあるけれど、ストックとして絶えず一定量の商品が在庫として存在するんだよね! ソレを担保にしてお金を借りたいってときに譲渡担保って方法をとるんだよね! |
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そうね。 流石、チイちゃん! |
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えへへへへへ。 | ||
まぁ短いけれど、こんなところかしら。 結局、木下さんは「あばば、あばば」で終わっちゃったわね。 |
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あばば。 あばば。 |
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『N・H・Kにようこそ!』EDの『踊る赤ちゃん人間』? |