違憲判決の効力・憲法判例の意義 
さぁ、長かった憲法司法の勉強会も、今日を最終回にするわね!
マ、マ、マヂですかっ!?
う・・・なんか嬉しい・・・まさか、ここまで長い道程になるなんて正直思っていなかった・・・。
そうよね。
でも、まだ今日の論点を終えないことには終わりじゃないわよ?
まるで踏破したかのようなコメントは、時期尚早じゃないの?
そだね、そだね。
よし、それじゃ張り切って終わらせちゃおうよ!
今日の勉強会では、
違憲判決の効力
  と
憲法判例の意義
というつの論点について学ぶことにするわ。

先ずは、違憲判決の効力からね。

今まで見てきた判例の中には、法律そのものの憲法違反を争った事案があったわよね。
そして、その訴訟において、裁判所が問題となった法律を違憲(=法令違憲と判示した場合、その違憲という判断を下された法律の効力は、どうなるのか

ソレが、違憲判決の効力の問題なのね。
  こくこく(相づち)。
この問題は、学説を抑えるべきですよね。

@個別的効力説
A一般的効力説
B法律委任説


という考え方があるところですが、芦部先生は、このうち@個別的効力説妥当とされてみえるので、私も@個別的効力説で理解していますね。
芦部信喜『憲法【第6版】』岩波書店 2015年 389頁)
私も@個別的効力説で抑えているわね。

@個別的効力説とは、最高裁判所が下した法令違憲の判決といえども、その効果は当該事件どまりであり、違憲と判断された法律は、当該事件についてだけ、その適用を排除されるにとどまる、とする考え方なのね。
通説的理解としては、この考え方になると思うわ。

一応、それぞれの考え方も紹介しておくわね。

A一般的効力説とは、最高裁判所によって違憲とされた法律は、当該事件についてだけでなく、それを超えて、一般的にその効力を失う、とする考え方ね。

B法律委任説とは、判決の効力は、そもそも法治国原則の手続的内容に過ぎないから、憲法論的に確定さるべきではなく、法律をもって定められるべきもの、とする考え方をいうわ。
日本の裁判所は、付随的違憲審査制をとっているから、判決はあくまでも当該事件の解決に必要な限りで下されるものなんだから、個別的効力説がいうように、その判決の効力は、当該事件どまりって考える方が、シックリ来るよね!
まぁ、そうよね。

もっとも一般的効力説も、付随的違憲審査制を前提に議論されている考え方もあるんだけどね。
あまり踏み込んでしまうと難解になってしまうから、ここでは一般的効力説の考え方を抑えておくってことでいいと思うわ。
・・・踏み込む前なのに既に難解なのは何故だろう。
あんたは復習を疎かにしているからよ!
反省しなさい、反省!!

この他に、新たな違憲判決の方法として、事情判決や、将来効判決という手法があるわ。

事情判決については、行政法で学ぶから、ここでの説明は割愛するわね。

将来効判決についてだけ説明しておくわね。
将来効判決とは、違憲判決によって、当該事件の法律を無効とはするんだけれど、その無効の発生(=判決の効力を将来の一定時期以降にする、という判決方法をいうわ。
むむむ・・・まぁた難しい言葉が出てきたなぁ。
最終回なんだから、もう少し大団円的な終わり方を期待してたのになぁ。
ナニ、ブツブツ言ってるのよ!

それじゃ、最後の論点の憲法判例の意義について、まとめるわね。
論点としての重要度は高いものではないけれど、一応簡単にまとめておくからね。

ここにいう憲法判例とは、憲法上の争点についての判断を含む判決例のことをいうわ。

また、判例の法源性については、肯定説通説的理解になるわね。

判例の先例拘束性についてだけれど、日本では英米法のような判例法主義の法制度をとっていないことから、先例の拘束力は事実上の拘束であって、法的な拘束力ではない、という理解が一般的ね。
ただ最近では、アメリカ流の司法権ということの他に、法の下の平等、裁判を受ける権利、罪刑法定主義などを根拠として、先例の法源性ないし法的拘束力が認められるとする考え方も有力になっているわね。
  ふーん。
まぁ、なんて薄い反応をしてくれるのかしら・・・。
  終わり?
コレで、おしまい?
そうね。
みんな、ホントお疲れ様でした。

積み残しの論点の消化だけだったから、今日の勉強会はいつになく短いものになっちゃったわね。
どうかしら。
長かった司法も、やっと終わったことだし、一緒に打ち上げがてら美味しいものでも食べに行っちゃう?
ばんじゃーーいっ!!
ばんじゃぁーーーーいっ!!
ぶっちゃけ、最終回って冒頭に聞いた時から、その御誘いがあることを期待していますた!
藤さんは、いつも人一倍頑張ってみえますから、きっと達成感も大きいんですよね。
私も、それだけの達成感が得られるように、もっと頑張らないといけませんね!
そっかぁ。
確かに、昔のオネーちゃんだったら、勉強会にさえ参加せずに逃げ出してそうだもんね。
そんなオネーちゃんが勉強会に休まずに出ているんだもんね!
ソレって、スっゴイことだとチイも思うよぉ。
・・・。

(ソレは、おそろしく低いハードルです・・・。)
確かに確かに。
コレは最早前人未到の偉業と言っても過言ではないお!
ものすっごく過言です!!
あっ・・・思わず口に出してしまったです。
うんうん、ナカちゃんの言うとおりだから大丈夫よ。
まぁ、個人の感想は人それぞれだから、ソレはソレとして、行くお店決めちゃいましょうよ。
今日で最終回ってワカッてんなら、お店の予約くらい出来ないもんだろうか。
常識的に考えて。
はいはい、ソレは申し訳ございませんでした。
・・・。

(自分へのハードルは限りなく低いのに、他人へのハードルはやたら高いです・・・。
 藤先輩は、ホント困った人です・・・。)

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